「こんな花が庭で咲いたよ」と同僚からの知らせ。
20年前に鉢植えを購入して庭で育てたのが増えたホタルブクロだそうで、この株は茎が30センチほど。70~80センチまで伸びるそうですから、まだ育ちざかりか。花は約7センチと結構大きく、これから1カ月ほど楽しめるとのこと。(写真の右後方のやや濃い紫の花はシラン=紫蘭)。
ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、原産地は日本を含む東アジア。変種のヤマホタルブクロという山地に咲く仲間があって、どちらも花は白いものもあり、ほとんど見た目は変わらないのですが、萼(がく)の間に反り返る付属片があるのがホタルブクロの特徴で、萼の間が盛り上がっているヤマホタルブクロと見分けられます。
漢字で「蛍袋(ほたるぶくろ)」と書くように、「花の中に蛍を閉じ込めるとその明かりが外へ透けて見える」ところから呼ばれるようになったという説が有力のようです。提灯の古い呼び方である「火垂(ほた)る袋」が転じたという説もあるようで、別名「チョウチンバナ(提灯花)」とも。
似たものにツリガネソウ(釣鐘草)があり、同じ「ホタルブクロ属」の仲間。ツリガネソウは種類が多くて、色、形も多様で一概には言えませんが、ホタルブクロの方が花は縦長という印象です。ホタルブクロをツリガネソウと呼ぶ人もいるようですが、ツリガネソウは、本来はラテン語で釣鐘を意味するカンパニュラ(英語名ベル・フラワー)のこと。原産地・地中海沿岸の西洋種です。
4月10日の当ブログで、パレスサイドビルに近い牛ケ淵(九段会館と北の丸公園の間)にヘイケボタルが生息していることを紹介しましたが、花に蛍を入れるなんて、そのものズバリの「釣り鐘」より、とってもロマンチックなネーミングで好きだな~。(^―^)