【2022年3月】のアーカイブ

 この週末、東京都心のサクラ(ソメイヨシノ)が満開になったというから、週明けの28日朝、ビル近くにあるサクラの名所、千鳥ケ淵を早速のぞいてみると、平日にもかかわらず、満開の桜を見上げながら、ボートを漕ぐ人たちの姿が少なくありません。春を心待ちにする思いの強さを感じます。

 気象庁によると、3月27日に靖国神社境内にある標本木で、約80%以上のつぼみが開いたのを確認し、満開を宣言しました。平年より4日早く、昨年よりは5日遅いそうですが、3月中に満開を迎えるのは5年連続で、最も早かった満開は2002年の3月21日です。

 例年であれば、千鳥ケ淵、北の丸公園などを中心に「千代田さくら祭り」が催されますが、新型コロナウイルスの感染拡大で祭りは3年連続の取り止め、皇居・乾通りの春の一般公開も3年連続の中止です。

 東京は今週、雲が広がりやすく、31日ごろには雨の降る可能性があるほか、4月に入ると花冷えもあるという予報です。宴会なし、歩きながらの花見はお早めに。

 暖かな春の日差しが戻った24日、パレスサイドビル地下1階の飲食店街に年配の人たちの姿が目につきました。どうやら、ビルのお隣、東京国立近代美術館で開催している大回顧展「没後50年 鏑木清方展」(毎日新聞社など主催)の鑑賞前後の人たちのようです。

 鏑木清方(1878~1972年)は美人画の名手として、上村松園と並び称された近代日本画の巨匠です。代表作でありながら、長きにわたって所在が不明だった「築地明石町」(1927年)と、合わせて3部作となる「新富町」「浜町河岸」(いずれも1930年)が2018年に再発見され、話題を集めました。その3部作を含む約110点が並びます。

 「築地明石町」は帝国美術院賞を受賞し、清方を名実ともに日本を代表する画家に押し上げた作品で、1975年以来、所在不明でしたが、再発見後に3部作となる「新富町」「浜町河岸」の3作品を東京国立近代美術館が収蔵しました。

 実は清方は毎日新聞とゆかりがあり、清方の父親で戯作者の条野伝平は「毎日」の前身である「東京日日新聞」を創刊したメンバーの一人です。多くの文人、絵師たちが集まる環境下で育った清方が、挿絵画家として出発し、その後、画家に転じたのは、ごく自然な成り行きだったようです。

 同展は5月8日(日)まで。観覧料は一般1800円、大学生1200円、高校生700円、中学生以下は無料です。

 春はセンバツから――。第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)が18日、阪神甲子園球場で開幕します。出場32校が今月30日までの13日間にわたって熱戦を繰り広げます。

 大会には高校通算50本塁打のスラッガーが出場するなど、話題の選手が少なくありませんが、「センバツ応援イメージキャラクター」にもちょっと注目です。キャラクターの起用は第85回大会(2013年)から始まり、今年のキャラクターに決まった女優・モデルの伊丹彩華さん(16)がちょうど10人目です。

 歴代のキャラクターには女優の小芝風花さんや岡田結実さんらが選ばれており、センバツを機に注目度がグッとアップするのは大会に出場する球児たちと同じです。報道によると、高校1年の伊丹さんは東京都出身でオスカープロモーション所属。2017年の第15回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞しました。

 大会の応援ポスターに登場した伊丹さんは「センバツは多くの人が一体になって応援できる大会。大きな舞台で力を発揮することはとても難しいと思うが、それを乗り越えるために互いに補い合いながら頑張る姿に心ひかれる」と話していました。

 4月から毎日書道展の会員に昇格する作家の作品を集めた「2022年毎日書道展新会員作家展」が今週7日から、パレスサイドビル1階のギャラリー「アートサロン毎日」で始まりました。漢字、かな、近代詩文書、大字書、篆刻(てんこく)、刻字、前衛書の7部門で、次代を担う186人の新作を約1カ月間、5期に分けて紹介していきます。入場無料。

 第1期(3月7~12日)の出品者は次の通りです。
 漢字=網代硯洋、猪飼朱焔、市川将吾、一色彩光、江原順子、遠藤華萌、遠藤暁芳、太田月虹、大塚澄心、奥谷恵、片山香流、金井茜、川嶋鶴洲、田尻和景、沼田敏明▽かな=明石郁子、今村翠丘、大澤秋蘭、大沼爽暎、白井司彩▽近代詩文書=綾部京仙、荒木幸孝、有澤映泉、家泉大響、石塚春玲、市橋佐代子、稲垣奏庭、井上玲華、松岡一真▽大字書=荒川秀峰、上平清逕、宇田川恵茜▽篆刻=大橋協司▽刻字=伊藤智丹▽前衛書=相内珠莉、荒川空華、梅山久子

<会期>第2期=3月14~19日▽第3期=3月21~26日▽第4期=3月28日~4月2日▽第5期=4月4~9日(日曜休館)

<開場時間>午前10時~午後5時(土曜は午後4時まで)
  ※新型コロナウイルスの感染状況によって変更の可能性があります。

主催:毎日新聞社、毎日書道会
 
 

 弥生3月、あたたかな春の陽気に誘われてパレスサイドビルを出ると、お隣の丸紅本社前にある2本のカワヅザクラ(河津桜)が満開です。咲き誇る美しいサクラを撮ろうと、スマホを手にする人たちが後を絶ちません。コロナで沈みがちな気分、少しでも晴らしたくなるのでしょうか。

 早咲きの桜として知られるカワヅザクラは1955年ごろ、静岡県河津町で見つかり、この名が付きました。オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と推定されており、ソメイヨシノよりピンクが濃いのが特徴です。パッと散ってしまうソメイヨシノに比べ、しばらくの間、花を楽しめるのがカワヅザクラの魅力です。

 気になるソメイヨシノの開花はいつごろになるのでしょうか。日本気象協会が2月24日に発表した開花予想によると、西日本から関東では平年並みのところが多く、開花の全国トップは3月21日の熊本で、東京はその1日遅れの22日となる見込みです。心弾む春が待ち遠しいですね。

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