外を歩くと、ちょっと汗ばむくらいの良い季節です。さすが、風薫る五月。昼休み、パレスサイドビルを出て5分ほどブラリ。ニュースでやっていた大手町の三井物産の人工池を覗いてきました。カルガモの親子です。
この池、通称か公称か分かりませんが、「カルガモ池」と呼ばれ、今月7日朝に出勤してきた三井物産の社員が10羽の雛を確認したそうです。お母さんの後について一生けん命泳ぐ雛たちの姿の愛らしいこと。なかなか全員集合とはならず、頑張って撮って8羽です=写真㊤(潜っていたり、見えにくい子もいますので、目を凝らしてよく見てくださいネ)。
この池でカルガモの誕生・子育てが見られるようになったのは1983年と言いますから30年。周辺のビル建て替えラッシュのためでしょう、ここ4年は現れず、5年ぶりのお目見え。毎年の恒例になっていたころは、あまりニュースでも取り上げられませんでしたが、久々とあって、今年はほとんどの新聞、テレビもほとんどのところが報じたようで、昼時ともなると、近くのオフィス街から大勢が見物に来て、大そうな人だかり=写真㊧。人慣れしているのか、カモたちは騒ぐでもなく普段通りっていう感じでした。
見ていたら、雛も顔を水に突っ込んで、水草や藻の類でしょうか、一人前にお尻を上げて餌を探している姿が、可愛くて気に入りました=写真㊨。
昔、三井物産の知り合いに聞いたんですが、同社にはカルガモ担当者がいて、日々動向を注視し、餌を与え、報道関係の対応もするそうです。警備員の方でしょうか、長い棒をもって池のほとりで警戒している人もいました。かつて、ノラ猫や野ネズミに襲われ、雛が全滅した年もあり、またカラスも虎視眈々、狙っているようで、それ等を追っ払うのが使命とのことです。
担当者の任務の仕上げは引っ越しを見届けること。通常は1カ月余りここで過ごし、6月中・下旬に雛がある程度大きくなると、内堀通りを渡って皇居のお濠に移るのです。通りの幅は約40メートル。過去、概ね午前4時台に動くことが多いとはいえ、車通りですから、担当者は「そろそろ」という時期を迎えると、警視庁と連絡を取り、当日は和田倉門外交番のお巡りさんが交通を遮断する、という段取りをつつがなくこなすさなければなりません。結構、大変だそうですネ。こうして私たちはお母さんに従って雛たちがヨチヨチ歩くニュースを見ることができるってわけです。
ただし、引っ越し時期は年によって結構バラつきがあり、2000年は7月中旬でしたし、1989、90年は引っ越しせず、7月下旬から8月にかけ、この池から直接巣立ったそうです。さて、今年はどうなりますやら。ま、とにかく元気に育ってネ。