1月23日は「電子メールの日」です。毎月23日の「ふみの日」は1975年くらいから始まり、「手紙を出す楽しさ、受け取るうれしさ」をアピール。語呂合わせで、手紙を書く運動を展開していたのですが、さらに語呂合わせを付け加えて「いい(E)ふみの日」として、「電子メールの日」を1月23日にしています。いまや電子メールで国内で1日2億通以上のやりとりが行われていると言われていますが、人とつながるツールとしてFacebook、Twitter、LINEなどが急速な広がりを見せて、いずれは電子メールに取って代わるかもしれません。しかしやはり当面、電子メールは欠かせないコミュニケーション手段のひとつです。
この電子メールですが、「Eメール無呼吸症候群」(Email Apnea)という症状が注目されるようになっているのをご存知ですか? 眠っている最中、知らないうちに呼吸が止まっている「睡眠時無呼吸症候群」がここ数年で知られるようになってきましたが、パソコンに向かっているときに、息を止めてしまうことがあるらしいというのです。これは何も電子メールに限ったことではありません。ブログを書いていたり、SNS(social networking service)でコメントしていたり、ネット上で何かに集中してタイピングしている時に起こる症状。この「竹橋ガイド」を書いていると、私もよくこの症状に陥っています(笑)
科学的な調査ではありませんが、一説では80%の人にこの症状があると言われています。もちろん、この症状が出ている人の多くは健康な人でしょう。Eメール無呼吸症候群は、不健康というわけでもありませんし、お医者さんに薬をもらうわけでもありません。
Eメール無呼吸症候群は、2008年「ハフィントン・ポスト」紙(米国のインターネット系新聞)でのリンダ・ストーン氏による造語です。ストーン氏は元アップル役員で、テクノロジーと生理学の関係に従事した人物。ストーン氏もスクリーンを眺めている時に自分の呼吸が止まっていることに気がつきました。
呼吸が止まっている状態というのは、もちろん体にいいはずがありません。ストーン氏は、このEメール無呼吸症候群の原因について2つの仮説を唱えています。
多くの人はパソコンに向う時に変な姿勢になってしまいます。
「姿勢が悪い時(猫背で背中も丸まって肩もなかに入っているような姿勢)は、解剖学的にみて呼吸がしやすいとは言いがたい」とストーン氏は話します。確かにその通り。科学的に裏付けてくれというまでもなく自分で感じることができます。背中丸めて首を縮めてみれば、なるほど確かに窮屈な姿勢であることは間違いないです。
また電子メールやパソコンを使う作業・仕事でストレスを感じる時、人は呼吸が上手くできないという仮説です。こちらもカリフォルニア大学のグロリア・マーク氏とスティーブン・ヴォイダ氏によって、電子メールとストレスには関係があり、という研究が昨年発表されました。例えば心拍数の変化の幅にそれが表れるといいます。人は電子メールを読めない(読まなくてもよい)状態に置かれると、心拍変異度が小さくなるという結果も出ました。
ただし、電子メール無呼吸症候群は病気ではありません。解決方法はいたってシンプル。姿勢よく座り、呼吸に注意をはらうこと、それだけ。時にはパソコンの前から立ってみましょう。それだけで、この症状は軽減されるのです。
さてこのブログを読み終えたところで、立ち上がって大きく深呼吸してください。