【2013年8月26日】のアーカイブ

 戦争終結直後の1945(昭和20)年10月上旬から12月まで約3カ月間で、都市ごとに「全国主要都市戦災概況図」が作られたことを初めて知りました。パレスサイドビルからぶらりと歩いて5分、国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)が企画展を開いていて、北海道から鹿児島まで、全国の約130都市分の戦災概況図を3期に分けて展示中です。

 長崎、広島の戦災概況図はいくたびか目にしても、これほど多くの都市に第一復員省資料課によって編纂された地図があったのですね。パンフレットによると、当時復員してきた軍人たちが故国の土を踏んで最初に尋ねることが、故郷の戦災状況であったため、本図の速やかな完成に努めたと記されています。

 各地の図面はその縮尺、紙質、紙サイズ、書き込まれた情報の精度などが様々です。全国主要都市に派遣された調査員たちが物資や調査手段に苦労しながら、しかも3カ月という短期間で仕上げた、その苦労が偲ばれます。

 第Ⅰ期(函館、釧路から静岡、清水、浜松まで)は8月23日で終了してしまいましたが、大津、彦根、岐阜~姫路、伊丹、西宮までの第Ⅱ期が26日に始まり(9月6日まで)、引き続き米子、岡山、広島~鹿児島、鹿屋、川内までの第Ⅲ期(9月9日~20日)があります。第Ⅰ期を含めウェブページ・国立公文書館デジタルアーカイブ(http://www.digital.archives.go.jp/)から検索すればすべて閲覧できます。

 先週、私が訪ねた日は第Ⅰ期の期間でしたが、70歳前後の女性が「戦災概況図 東京」=写真㊤=を食い入るように見つめ、ガラス越しに1地点を指でなぞっておられました。記憶の片隅に残っている場所でしょうか。

 廃墟となった東京の空撮も展示空襲図サブ.jpgされていました=写真㊦。1945年8月25日撮影ということで、説明を読むと、京橋北東の様子で、右側下から2つ目のビルが1932年竣工の味の素本社。ちなみに、角の時計台(写真ではビルの左下角)が特徴で、1980年代まで健在でした。

 国立公文書館は竹橋駅(1b出口)が最寄。月~金曜日、午前9時15分~午後5時開館。土曜・日曜・祝日は休館です。

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