ちょっと旧聞に属する話ですが、若者向けフリーペーパー「R25」の記事で、パレスサイドビルが「カッコいいオフィスビル」の第2位にランクされました。
同誌320号(昨年12月6日)=写真㊤=の、「『カッコ良すぎる本社ビル』探訪」という記事です。本文はアップルの新社屋建設計画を中心に、主に海外のビルの事を書いていますが、「日本のカッコいいオフィスビル ベスト10」という表=写真㊦=が添えてあるのです。建築史家、建築評論家として知られる五十嵐太郎・東北大大学院工学研究科教授の選考によるもの。一口コメントがあり、パレスサイドビルについて「高さ50メートルの東西2本の白い円筒コアが特徴」とあります。
調子に乗って、五十嵐先生の研究室のホームページから、問い合わせのメールを送ったところ、先生から次のような返事をいただきました。
「近代/現代建築史において高く評価されている建築です。普通に日本の近現代建築史の本を探せば、多くのものでは紹介されているので、基本的にはそれにのった評価です。今みても全然古びれた感じもしない。」
先生の総合的な判断ということです。恐れ入ります。
ヨイショするわけではありませんが、五十嵐先生は東日本大震災で大学の研究室が大破して「半分、被災の当事者」になり、多くの被災地を巡り、南相馬市の仮設住宅の集会所の基本設計や、女川の倒壊建物の保存プロジェクトなどに研究室として取り組んだといるとのことです。大震災での建築家の取り組みを伝える展覧会「3・11――東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」(国際交流基金など主催)の仕掛け人としても知られます。同展は1年前の東北大とパリの同じ開催を皮切りに、2年間で海外約20都市を巡回するそうです。
こんな五十嵐先生に評価していただいたのですから、ちょっと手前みその自慢ブログでも、お許しくださいネ。
ちなみに、ベスト10は右の表のとおりで、トップはモード学園コクーンタワー(西新宿)、3位がセンチュリータワー=順天堂大(本郷)。以下、④電通本社ビル(汐留)、⑤東京海上日動火災保険本社ビル(丸の内)、⑥フジテレビ本社ビル(お台場)、⑦SANKYO新東京本社ビル(渋谷)、⑧竹中工務店東京本店(東陽町)、⑨大阪富国生命ビル(大阪市)、⑩日本テレビタワー(汐留)。
⑤東京海上(1974年竣工)のほかは1991~2010年竣工と新しく、⑧竹中(地上7階)、⑦SANKYO(14階)以外は20階以上、モード学園のように50階の超高層ビルもあります。それらの中で、1966年開館・地上9階のパレスサイドビルは、とっても特別に評価していただいた気がします。
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