ブレイク中のふなっしーの話をもう少し。千葉県船橋市の非公認ゆるキャラながら、アサヒ飲料の「十六茶」やPHSのウィルコムのCMに立て続けにお声がかかったのは驚きです。もちろん、妙な魅力があって、全国にあまたあるキャラの中で、気になる存在なのは間違いないんですけど。
と思ったら、ふなっしーの人気の秘密を解明する人がいたんです。ライター、デザイナー、キャラクターコンサルタントの犬山秋彦さんが、パレスサイドビルに本社を置く「マイナビ」のサイトで『激キャラ☆交遊録』という連載を始めて、ズバリ、「ゆるキャラ界の超新星」としてふなっしーをいきなり、2回続けて取り上げたってわけです。第1回(2月18日)が「くまモンのライバル登場!?今話題の『ふなっしー』って何?」(http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/gotouchi/2013/02/1-6.html)、第2回(同24日)は「ふなっしーの中身、丸見え!? 超激戦サッカー対決!」(http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/gotouchi/2013/02/2.html)。2回目で、「ゆるキャラ(R)サッカー大会」(2012年10月6日、東京・品川)でのふなっしーとくまモンの対決場面を取り上げています=写真㊤はYoutubeより。くまモンは「ゆるキャラグランプリ2011」のチャンピオン。大物相手に目立つというのは、のし上がろうとする新人の古典的な手です。
犬山さんは第1回の中で、共著『ゆるキャラ論~ゆるくない「ゆるキャラ」の実態』=写真㊨=の取材で、漫画家、イラストレーターの三浦純さんにインタビューした際にショックを受けたと書いています。
「(三浦氏が)語っていた、『ぼくの好きだったゆるキャラはもういない』という言葉は衝撃的だった。かつて『ゆるキャラ』とは、地方のお偉いさんがノリと権力で強引に作り上げてしまったがゆえに面白かったのだ。子どもたちが気持ち悪がって寄り付かないデザインや、素人丸出しのヘタな演技、脇の甘い設定やストーリー、それをあえて面白がることが『大人のたしなみ』であり、『粋』だったのだ。しかし、現在はプロのデザイナーや広告代理店が参入し、『くまモン』に代表されるように、かつての『ゆるさ』は影を潜めてしまった。そして、完璧なマーケティングによって生み出されたキャラクターたちが人気を博し、本当にゆるいキャラたちは、次々に作られては人知れず埋もれてゆく・・・」
そうです。だから、犬山さんが真っ先に取り上げるのが、まさしくゲリラ的に登場して全国区に躍り出たふなっしーなんですネ。
ゆるキャラのことが少しわかった気がします。