【2013年4月 4日】のアーカイブ

 東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展(毎日新聞社など主催)の続きです。前回(4月2日)、書けなかった「ヘクトルを打ち倒すアキレス」=写真㊤=です。一騎打ちはトロイ戦争のハイライト。まさにアキレスの剣がヘクトルを貫いた場面を描いた油彩下絵の最高傑作の一つとされる作品です。

 ルーベンスは、1630~35年頃に、8点からなる「アキレス連作」タペストリー(室内装飾用の織物)のためなど数多くの下絵を手がけています。通常、小サイズの荒い油彩スケッチで構想を示し、工房の助手たちが拡大して丹念に彩色したモデッロ(手本)を描き、それに基づいてタペストリーと同じ大きさのカルトン(厚紙に描かれた下絵)が制作されたそうですが、この作品では、最初のスケッチから大幅に変更が加えられ、また他のモデッロより質が際立って高いのが特徴。だから、大部分をルーベンスが描いのに違いないと考えられているのです。

 で、この絵をじーっと見ていて、なんか、違和感がありませんか? 分かりました。アキレスも、ヘクトルも、左利きなんです。古代は、左手が剣、右手が盾なのか......などと一瞬考えてしまいました。でも、映画「トロイ」のブラピたちは、右利きです=写真㊦。タペストリーの作り方は、イマイチ、よくわかりませんが、版画と同じように左右反転になるってことでしょう。下絵とはいえ、左右逆に描くのって、しっくりこないんじゃなか、などと余計なことを考えちゃいました。

21日まで期間中無休。当日券は大人1500円、大高生1000円、中小生700円。

竹橋ガイド

calender

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

April 2013

category

カテゴリ

月別アーカイブ

月別 アーカイブ

eBook

  • 江戸城散歩2008年3月、毎日新聞掲載
  • 江戸城今昔ものがたり
  • 東京・竹橋 花図鑑
  • 東京・竹橋 続花図鑑
  • 東京・竹橋 新緑図鑑
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 原始〜江戸時代初期
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 江戸時代前期〜現代
  • 東京・竹橋 国際図鑑
  • 東京・竹橋 アカデミー図鑑
  • 東京・竹橋 文学散歩
  • 東京・竹橋 紅葉図鑑
  • 東京・竹橋 歳時記
  • 東京・竹橋 さくら図鑑