【2013年1月23日】のアーカイブ

 最近、子供が将棋を覚えて時々相手をします。そんなことを考えていたら、千代田図書館で「江戸幕府の碁打ち将棋指しから庶民のゲームへの道程」という展示をやっていると知り、パレスサイドビルから5分ほど歩いて見てきました。

 この図書館の「としょかんのこしょてんVOL.59」です。2007年5月7日にリニューアルオープンした際、地元密着の一環として、神田古書店連盟と連携して展示・出張古書店コーナーを設けたそうで、第1回は「手塚治虫初期作品コレクション」(2328冊)でした。毎回、古本屋さん(各回1店または複数店)が出品し、購入希望者には店に仲介してくれます(非売品を除く)。2カ月に1回出し物が変わる"準常設展示"です。

 今回はアカシヤ書店の出品で、前・後期に分け、将棋が1月28日(月)までなので、関心のある方はお急ぎください(第4日曜休館なので27日は休み)。囲碁は1月29日(火)~2月25日(月)です。将棋の展示は約40点。鮮やかな色彩が目を引く「将棊浮世絵」(非売品)=写真㊤、右の白いものは天井の蛍光灯がガラスケースに映たのであしからず=など江戸時代の貴重な資料のほか、明治~昭和初期の教本、詰将棋の本などが展示されています。

 囲碁将棋の人気はどうなのか、ちょっと調べてみました。よく引用される日本生産性本部の「レジャー白書」によると、2010年の将棋人口が全人口1億2800万人の約1割の1200万人、囲碁はその約半分の616万人。結構多いじゃん、という印象ですが、アンケートで「年間に1回以上遊んだことがある」の回答者の比率からの推計です。しかも、年々の推移をみると2009年に不自然に激増しています。2003年以降の将棋人口は、900万人から多少増減しながら2008年は685万人まで落ち込んだ後、2009年に1272万人へと約1.8倍に飛躍しています(囲碁も2008年254万人→2009年→640万人=2.6倍)。これは、用紙を渡して書き込んでもらう従来の調査方法から、インターネット調査に変更したためで、囲碁や将棋はネットやゲーム機を介して楽しむ人が多いことを反映しているということのようです。

 「年1回でも指せば愛好者?」などと突っ込みたくなりますが、3回か、5回以上か......と考え始めたらキリがないので止めましょう。

 さて、将棋人口の頂点に立つプロはというと、棋士になるには奨励会という養成機関に入るのが必須。一定以下の年齢でプロ棋士の推薦を受けた人だけが受験でき、6級から5級...1級初段二段三段と上っていき、年2回の三段リーグで、原則として各回上位2人が四段になる――これでやっと正式なプロ棋士です。満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者は満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかったら退会(プロになれない)という厳しい年齢制限は有名です(三段リーグで勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長可)。要するに、年間4人だけが新たにプロになるってことです。将棋連盟のホームページによると、現在現役プロ棋士は161人。43人の引退棋士を加えてもたった200人です。プロ野球やJリーグより凄いんですね。

 地域で子供の将棋教室を開いてくれる棋士の先生は6段。「なぁんだ、6段かぁ」などと一瞬でも思った我が身の不明を恥じるばかりです。

竹橋ガイド

calender

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

January 2013

category

カテゴリ

月別アーカイブ

月別 アーカイブ

eBook

  • 江戸城散歩2008年3月、毎日新聞掲載
  • 江戸城今昔ものがたり
  • 東京・竹橋 花図鑑
  • 東京・竹橋 続花図鑑
  • 東京・竹橋 新緑図鑑
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 原始〜江戸時代初期
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 江戸時代前期〜現代
  • 東京・竹橋 国際図鑑
  • 東京・竹橋 アカデミー図鑑
  • 東京・竹橋 文学散歩
  • 東京・竹橋 紅葉図鑑
  • 東京・竹橋 歳時記
  • 東京・竹橋 さくら図鑑