パレスサイドビルのすぐ前にある皇居東御苑で、今ツワブキ(石蕗)の花が咲き誇っています。特に本丸跡の広場西側にある江戸城本丸図の石碑が建っている島一帯は一面の緑の葉を覆うように黄色い花が鮮やかに彩りを添えています。
葉っぱはフキノトウのフキによく似ていますが、フキよりも肉厚で、色も深緑と濃く、つやがあります。つやがあることから「つやぶき」だったのが変化してツワブキと呼ぶようになったとか、「アツハ(厚葉)フキ」から「あ」が抜けてツハヌキが転じてツワブキになったともいわれています。
ツワブキの葉は冬でも青々としていて、この葉を火であぶって、表皮を剥いで火傷や切り傷、おできの患部に貼ると、炎症を和らげ、傷が早く治るそうです。茎や根を刻んで乾燥させて煎じ薬として下痢止めなどとして使われます。
また、食用としても利用されます。ご飯と一緒に食べても、お酒のつまみにしても美味しいキャラブキ。お店で売られているものはフキを使ったものが多いようですが、もともとはツワブキの茎や葉柄を煮込んだものでした。フキで作ったものは真ん中が空洞で穴が開いていますが、ツワブキのものは茎全体が詰まっているので、すぐわかります。まあ、どちらにしても左党にとってはうれしい一品に変わりありませんよね。