【2014年5月 9日】のアーカイブ

 先月中旬、第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展に先立って日本館の展示プランと見どころをいち早く伝えるプレビュー・トークに行ってきました。場所は新宿区四谷4丁目の国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の2階さくらホール。半数は報道関係者でしたが、用意されている80座席はすき間なく埋まっていました。今年の日本館のタイトルは「In the Real World 現実のはなし~日本建築の倉から~」。毎日新聞社の記者も取材していたのですが、私たちがプレビュー・トークを聞きに行ったのは、ここパレスサイドビルも展示品の一つに選ばれ、「パレスサイドビル 立面図の青焼き」が日本館に並べられるからです。

 今年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、世界各国のパビリオンが100年の建築の変化を共通テーマに展示を行います。近代化、グローバル化によって世界的な画一化が進んだ100年と言われますが、本当にそうなのでしょうか? 各国の近代化と建築の関係をいまいちど見つめ直すことで、建築本来の力を発掘しよう、というのがこの共通テーマのねらいです。日本館の展示では、近代化による社会的経済的激動のあった70年代を軸として100年の建築をひも解き、これまで見落とされてきた日本建築の底力に迫ります。

 プレビュー・トークでは、日本館チームのコミッショナー・太田佳代子氏(建築キュレーター)をはじめとして、ディレクター・中谷礼仁氏(早稲田大教授)、アドバイザー・山形浩生氏(評論家)、展示デザイン・小林恵吾氏(早稲田大助教)、資料調査・本橋仁氏(早稲田大助手)、映画監督・石山友美氏、写真家・山岸剛氏のチームメンバーがそれぞれのジャンルでの見どころをご紹介してくれました。

 「倉」に見立てた日本館には50の展示物があるのですが、倉の中にその100年の建築の思考が凝縮されているといった趣になるようです。住居から高層ビルまですべてを含めて、時代軸で整理しながら、実物の一部であったり模型であったりパネルであったり、そして設計図や青焼きであったり、という展示です。パレスサイドビルの立面図青焼きは日本館に入ってすぐ右手の「青焼きで巡る100年の名作」ビエンナーレ②.jpgの1角に展示されるようです。展示担当の小林氏は、実際に稼働出来る古い青焼き機を探し出してきて同時展示、来館者の要望に応じてすぐに焼いて渡せるコーナーにしていると説明していました=写真

 第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館は2014年6月7日~11月23日まで。世界65カ国のパビリオンが展示されるそうです。同時に映画展や音楽展、舞踊展が行われる期間もあり、今年の夏の海外旅行先に迷っている方には、ヴェネチアは有力候補の一つですね。

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