【2013年7月23日】のアーカイブ

2013

23

7

土用の丑の日

 22日、鰻を食べましたか? そう、土用の丑の日でした。パレスサイドビルにも鰻屋さんがあったのですが、時の流れか、春に店を閉じられ、いつでも食べられる状態になくなったのは残念。九段下あたりに出れば良い店もありますが、暑さに少々たじろいで、22日は食べそこなってしまいました。同じような方もいるでしょうネ。でも、今年は大丈夫。8月3日も土用の丑の日です。

 釈迦に説法ですが、土用は中国の「五行」(全ての物事は木、火、土、金、水に当てはまる)に由来する暦の雑節(五節句・二十四節気以外の季節の移り変わりの目安となる日)の一つです。五行では、春=木気、夏=火気、秋=金気、冬=水気、残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、土用と呼ばれます。立夏、立秋、立冬、立春の直前期の約18日間を示します。

 「丑の日」は、十二支の干支が「丑」の日で、12日で一巡ですから、土用の間(約18日間)に1回ないし2回、回ってきます。土用はシーズンごとに年4回あり、丑の日もそれぞれにありますが、通常は夏の丑の日を指します。

 で、今年は土用の丑の日が2回ある年。7月22日が「一の丑(の日)」、8月3日は「二の丑」となります。で、8月3日は鰻を絶対に食べようと、個人的に決意しているわけです。

 なぜ丑の日に鰻か。起源は江戸時代と言われ、最有力とされる説は、日本のレオナルド・ダ・ヴィンチとも言われる江戸時代の蘭学者にして発明家の平賀源内(1728~1780年)が、知りあいの鰻屋を応援しようと、「本日、土用の丑の日」と書いて店先に張り紙をしたところ大繁盛し、他の店も真似るようになったというもの。他に、天明期を代表する文人・狂歌師の蜀山人(大田南畝、1749~1823年)が「丑の日に鰻を食べると薬になる」という内容の狂歌をキャッチコピーとして考え出したといった説などもあるようです。

 真相はさておき、「うしのひ」と「うなぎ」の語呂がよく、また、そもそも丑の日に「う」の付くものを食べると夏負けしないという言い伝えがあり、鰻以外にも各地で梅干しや瓜、うどん、馬肉(うまにく)を食す習慣がある(あった)という解説も聞きます。

 いずれにせよ、ビタミンA、B1などが豊富な鰻を食べて夏を乗り切ろうというのは、栄養学的には合理性があるわけです。

 もっとも、味としてこの季節はどうか、と言う声はよく聞きますネ。魚がおいしいのは、やはり寒くて脂がのり、身が引き締まる秋から冬だというのは、一般論として正論。実際、諏訪湖に面した鰻の町、長野県岡谷市では商工会議所などが「うなぎのまち岡谷の会」を組織し、鰻料理を扱う業者らが、「鰻の旬は冬。この『寒の土用丑の日』に、『岡谷の寒うなぎ』を食べましょう」と呼びかけています(ホームページ「http://www.okayacci.or.jp/unagi/doyo/」)。

 まあ、冷凍技術も進歩し、いつ食べても美味しいですけどネ。

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