全国3万のお稲荷さんの総本宮として知られる伏見稲荷大社(京都市伏見区)。旅行で訪れた同僚が「株式会社毎日ビルディング」の名を刻んだ鳥居=写真㊦㊨=と、鳥居が建「毎日稲荷社」=写真㊤=を撮ってきました。鳥居は毎日新聞社と連名です。
場所は伏見稲荷大社の後方に広がる稲荷山の中腹。有名な「千本鳥居」を抜けて登って行くと四つ辻という視界が開ける場所があって、京の街を一望できます。そこから北側に回り込んでちょこっと降りたあたり。建立されたのは1907=明治40年とか。大阪毎日新聞と東京日日新聞の合併が1911=明治44年(新聞の題号を毎日新聞に統一したのは1943=昭和18年)ですから、統一前、大阪毎日新聞が単独で建てたものということになります。
稲荷山は海抜233メートル、山一帯も伏見稲荷の境内で、その広さは約27万坪にもなるそうです。山腹には、毎日稲荷を含め300もの祠・塚が点在するそうで、これらを巡拝する「お山巡り」も盛んとか。ちなみに、一巡するのに2時間はかかり、急な石段なども多く、結構きついそうです。
毎日稲荷などがまつるのは、伏見稲荷の分霊。パレスサイドビルの兄弟ビルである毎日新聞社大阪本社ビル(大阪市北区梅田3丁目)に毎日稲荷の分社があります。その社殿は新聞社の移転について回り、大阪市東区(現・中央区)大川町から、1922=大正11年に北区堂島に、さらに1992=平成4年に現本社である梅田の大阪本社ビルに移りました。
毎日新聞社の神社といえば、パレスサイドビル屋上の毎日神社がありますが、こちらは1939=昭和8年、毎日新聞社の双発輸送機「ニッポン」号が世界一周を達成したことを記念して創建され、空の安全祈願が目的。対する毎日稲荷は、お稲荷さんですから、なんたって商売繁盛。稲荷山には一緒に建てられた「広告(ひろつげ)稲荷社」もあるそうです。ま、新聞も商売、広告もいただきたいってことですね。