平将門公PART7は「帝都物語」です。将門公の怨霊を目覚めさせ帝都破壊を目論む魔人・加藤保憲都と、その野望に立ち向かう人々との攻防を描く荒俣宏さんの小説(1985年から刊行)は、映画(実相寺昭雄監督、1988年)やアニメ、漫画にもなりました。パレスサイドビルに近い将門(首)塚が、怨霊の中心という設定です。そういえば、前回紹介した「北斗七星」の謎解き本「平将門は神になれたか」の帯に、荒俣さんが「帝都には無数の魔術が仕かけられている・・・」と推薦文を寄せていましたっけ。
で、映画「帝都物語」ですが、渋沢栄一、寺田寅彦、幸田露伴、泉鏡花ら歴史上の人物が続々と出てきて賑やかでした。何といっても加藤役の嶋田久作さん、怖かったですね=写真㊦、YouTubeから。(ちなみに嶋田さんのブログ「http://9saku.blog102.fc2.com/」の愛猫を頭に載せた写真がコワカワイイ=怖くて可愛い!!)
帝都を破壊せんとする加藤が将門公の怨霊復活なら、これに対峙する辰宮洋一郎(石田純一さん)が将門公の末裔というストーリは、朝敵として討たれながら、江戸の守護神として恐れられ、また崇拝される将門公の「二面性」が見事に込められたものと、感心します。
映画には東洋初のロボットとされる「學天則(がくてんそく)」が出てきて、加藤との闘いに一役買いますが、學天則も実在し、1928(昭和3)年、昭和天皇即位を記念した京都大博覧会に大阪毎日新聞社(現在の毎日新聞社)が出品しました。映画にも博覧会シーン(上の写真、画面中央やや右に金色の學天則=YouTubeから)があり、ロボットの製作者である西村真琴(毎日新聞論説委員)を、二男の西村晃さんが演じて話題になりました。大阪市立科学館には2008年に復元された學天則が展示されています。