【2018年12月20日】のアーカイブ

 とある夜、パレスサイドビル東側の「一ツ橋口」を出て白山通りを横断しようとしたところ、神保町方面から皇居方向に走ってきた車高の低い「ゴーカート」のようなものに乗った一群に遭遇しました=写真㊤。丸紅の工事現場・高速道路方向を背にした図です。

 これが、訪日外国人旅行者に人気と噂の「公道カート」です。確かに、乗っていたのは、アジア系の観光客っぽい人たちでした。

 公道カートは、遊園地などで乗ったことがあるゴーカートに似た、低い車体、カバーはなしで、エンジンむき出しっていう構造です。排気量は20~50cc、法定最高速度は時速60キロで、道路交通法上は「自動車(ミニカー)」に分類され、乗用車と同様に一般道を走れます。普通自動車免許で運転でき、もちろん、外国人も国際免許があればOK。

 レンタカーを借りて・・・というのに比べ手軽、しかも普通の乗用車と違う低い視線で街を眺められるからでしょうか、外国人観光客に人気とのこと。きっと、インスタなんかのSNSを通じて口コミで情報が広がっているんでしょう。なんでも、キャラクターなどの着ぐるみのような衣装で走るのが〝決まり〟なんだそうです。上の写真、よく見ると何か着こんでます。先頭の人は多分、ガイドさんで、のけぞっているように見えますが、信号待ちの機会をとらえて後続のお客さんたちの写真を撮っているようですね。

 毎日新聞3月4日の都内版に「都内で利用進む 事故の86%外国人」という記事があり、朝日新聞が8月23日夕刊社会面で「都内で乗ってみた 風圧、車線変更ヒヤリ/景色が新鮮、心地よく」という体験記を載せていました。それらによると、都内では2013年から公道カード業者が出始め、現在は10店舗、うち6店舗が昨年開業というので、急拡大しているってことですね。

 事故も増えているようで、警察によると、全国の「ミニカー」の事故は2008~2017年の10年間で計749件。年々増えて、2015年以降は毎年80件台で推移しているそうです。特に外国人観光客による事故が目立ち、昨年3月~今年6月に都内で少なくとも68件の事故が起き、うち60件に外国人が絡んでいるとのこと。このため国交省は、2020年4月以降は既存車両も含め、レンタル業者などにシートベルトの設置を義務化するなど、安全対策を強化するということです。

 さらに、9月28日の日経新聞朝刊社会面によると、カートの客が着る衣装などについて、ゲームキャラクターの「マリオ」などが無断で使われてるのは著作権の侵害だとして任天堂がレンタル業者を訴えた裁判で、東京地裁は業者に衣装の貸与差し止めと1000万円の支払いを命じる判決を言い渡したということです。

 ちょっと乗ってみたい気もしますが、怖そうでもありますね。朝日新聞の体験記には、「実感するのは車高の低さだ。......体がむき出しなので、横切る車の風圧を感じた。車線変更は、接触するのではと冷や汗が出た。......速度を出しているつもりだったが、メーターを見ると40キロ。通常の2~3倍の速度に感じる人もいるという」とあります。

 体を守ってくれる鉄板もないわけですから、文字通り命がけっていう感じでしょう。体験はあきらめて、街中で走る姿を眺めるにとどめておくことにします。

竹橋ガイド

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