マナスル初登頂60年写真展(毎日新聞社主催)が2月1日、パレスサイドビル1階東玄関わきのフリースペースで始まりました=写真㊤。5日までの期間中、毎日10~17時、どなたでも自由に見られます。
マナスルはネパールにある、ヒマラヤ山脈に属す山。標高は世界8位の8,163メートル。名前の由来はサンスクリット語で「精霊の山」を意味する「Manasa」といいます。
この山の世界初登頂に成功したのが、1956年に日本山岳会と毎日新聞社が派遣した登山隊でした。まさに戦後の日本登山界が世界に誇る快挙。敗戦で打ちひしがれていた国民に大きな勇気を与え、また空前の登山ブームを巻き起こしたそうです。
登山隊は1951年、西堀栄三郎氏(後に南極越冬隊長など)、梅棹忠雄氏(後に国立民族学博物館初代館長)らを中心に京都大学士会山岳会が計画、偵察隊に続く第1、2次隊の失敗を乗り越え、3次隊が1956年に再び挑戦。5月9日に今西壽雄隊員とシェルパのガルツェンさん、11日に加藤喜一郎隊員と日下田実隊員がついに登頂を果たしました。
写真展にはマナスルの頂に立つ今西隊員の雄姿=写真㊧=など写真パネル14枚、登頂を報じる毎日新聞の紙面4枚のほか、当時の東京の様子を収めた写真4枚なども展示されています。
その紙面は1956年5月18日の朝刊です=写真㊨。1面の記事の前文は次の通りです。
「十七日午後マナスル登山隊長槙有恒氏からネパール政府にはいった公電によれば、日本マナスル隊は好天に恵まれ、九日第一次攻撃隊、十一日第二次攻撃隊をマナスル頂上に送って二回ともマナスル頂上征服に成功・・・攻撃に成功した四名の名前は不明。毎日新聞社ならびに日本山岳会の五年にわたる苦心の壮挙は第三次遠征によってここに結実、世界山岳史に輝かしい一ページを加えたのである」
1回目の登頂から9日、2回目からも1週間も後です。当時の通信事情が推察されますね。今は、エベレストの登頂でも実況中継しちゃう時代ですから、まさに隔世の感があります。
毎日新聞社は、60周年の5月9日に向け、さまざまな記念行事を実施します。この写真展がその皮切りで、2月3日の記録映画上映会は既に締め切りましたが、5月8日に記念イベント「ザ・マナスル・デー」、ネパール震災復興イベント「ザ・ネパール・フレンドシップ・デー」などを実施。東京・神保町、小川町の各商店街のご協力のもと山岳・アウトドアのフェスティ バル開催も予定しているそうです。