上野公園の国立科学博物館で開催されている「大恐竜展--ゴビ砂漠の驚異」を見てきました。子どもが行きたいというので、まあ、しゃあないか、っていうノリで行ったんですが、どうしてどうして、大人にも見応えがありました。
なんでも、モンゴルのゴビ砂漠は恐竜発掘調査の世界では「聖地」なんですって。乾燥した砂の地層なので、押しつぶされず、関節もそのままといった美しい化石がジャンジャン発見されているからってわけです。今回、100点余りの展示物のうち90%がレプリカではない、ゴビで発掘された実物の化石っていうのもすごいですネ。(http://ueno.keizai.biz/headline/1422/)
これでもか、っていうほど大小織り交ぜて骨格標本が展示されていますが、特に、約7000万年前に生きた大型の肉食恐竜タルボサウルスの骨格=写真㊤の左側=と植物食恐竜サウロロフスの骨格=同右側=の揃い踏み。どちらも10メートル超。実物ならではの存在感に圧倒されます。
このタルボサウルス、恐竜好きならご存知のティラノサウルスに似ています。そう、ほぼ同時期に北米にいたティラノサウルス・レックスと非常に近縁な恐竜で、白亜紀末期、北米とアジア大陸を結ぶベーリング海峡で、恐竜の行き来があったという説のひとつの証拠とされているんですって。
また、タルボサウルスの子供(推定年齢2~3歳、全長が2メートル)の標本も展示。ティラノサウルス類の子どもの化石としては世界一の保存状態だとされ、これが10メートルの大人に成長する間の体の形の変化を見られるのも、今回の展示の目玉だとか。
あと、戦っているうちに砂嵐ん巻き込まれたのが、2種類の恐竜がもつれ合った姿で残る「格闘化石」なんてのもありました=写真㊤。
ま、いろいろあって、書き尽くせませんが、私が興味をそそられたのは、卵と子供。
「卵泥棒」を意味するオヴィラプトルと名付けられた恐竜が、卵に覆いかぶさる形で見つかり、その卵が別の種類の恐竜のモノとされたため、卵を食べに来たヤツだと思われていたのです。ところが、その後、同じ卵の孵化直前のもの=写真㊧の手前、奥は復元模型=がみつかり、これがオヴィラプトルであることがわかったので、"濡れ衣"は晴れ、むしろ子をいつくしむ恐竜として評価を上げたとか。でも、学名は「泥棒」のままですが。
もう一つはプロトケラトプスという小型の恐竜の15体の赤ちゃん=写真㊨㊤。砂嵐に巻き込まれ一緒に死んでしまったと見られていますが、手のひらサイズで、復元模型=写真㊨㊦=が可愛いでしょ。
どれもこれも、化石と言うには生気がありすぎるというか、なんとも綺麗な骨たち。専門家がゴビ砂漠を「聖地」と呼んで、発掘にいそしむのも、チョッピリ理解できる気がしました。
会場のガイドは、通常の音声だけのでなくiPadっぽいタブレット(500円)=写真㊦。音声と画像で説明してくれ、子どもはクイズも楽しめる仕組み(大人もやっていいですヨ)。チラチラ見たら、ちゃんと使いこなしているじゃありませんか。そういう時代なのかと、妙に納得しました。
会期は2月23日までなので、お急ぎを!! 開館時間は9~17時、金曜は20時まで開いていますから、竹橋などから会社帰りに寄るのもお勧めです。入場料は一般1500円、小・中・高校生600円。