【2013年9月11日】のアーカイブ

2013

11

9

風立ちぬ

 見て、泣いてきました。

 話題の映画ですから、日曜の夕方なのに、川崎の映画館は親子連れ、若者のグループ、カップルなどで満席。映像の美しさは、さすがジブリでした。

 宮崎駿監督最後の作品というだけでなく、たばこを吸うシーンに禁煙学会からクレームをつけられたり、韓国では戦前の日本の侵略を美化する映画といった批判も受けるなど、話題になり、物議も醸しました。新聞の映画評なども「結果的に戦争に加担した二郎の葛藤はほとんど描かれず、文明批判や"社会派"を期待すると肩すかし」(毎日新聞7月19日夕刊)など、ジブリ映画にしては、いつになく辛口が多いのではないでしょうか。

 公式サイトの「企画書」には次のようにあります。

 「零戦の設計者堀越二郎とイタリアの先輩ジャンニ・カプローニとの同じ志を持つ者の時空をこえた友情。いくたびもの挫折をこえて少年の日の夢にむかい力を尽すふたり・・・この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。・・・自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。夢は狂気をはらむ、その毒もかくしてはならない。美しすぎるものへの憬れは、人生の罠でもあ る。美に傾く代償は少くない。・・・この作品の題名「風立ちぬ」は堀辰雄の同名の小説に由来する。ポール・ヴァレリーの詩の一節を堀辰雄は"風立ちぬ、いざ生きめやも"と訳した。この映画は 実在した堀越二郎と同時代に生きた文学者堀辰雄をごちゃまぜにして、ひとりの主人公"二郎"に仕立てている。後に神話と化したゼロ戦の誕生をたて糸に、青年技師二郎と美しい薄幸の少女菜穂子との出会い別れを横糸に、カプローニおじさんが時空を超えた彩どりをそえて、完全なフィクションとして1930年代の 青春を描く、異色の作品である」(原文のまま)

 ストーリーを詳しくは書きませんが、実在の二郎夫人は天寿を全うされ、菜穂子は架空の人物であり、堀辰雄の婚約者がモデルと思われます。いずれにせよ、戦時中の青春には、痛々しいまでの純粋さと、どうにもできない苦悩が同居しているということを伝えたいのではないか・・・いや、痛ましいだけに純粋さが際立つのか・・・それだけ奥が深い、宮崎監督の「有終の美」にふさわしい映画だと考えていいのではないでしょうか。

 上映終了後、小学生の娘は「菜穂子は死んじゃったの?」と尋ね、そうだ生きねば.pngと言うと、「可哀そう」と涙ぐみました。最期をさらりと通りすぎたのは、「あまちゃん」で津波の悲惨さをリアルな映像では描かな いのに共通するようにも思えます。それでも、私はラスト10分余り、涙が止まりませんでしたが、最後に、二郎の「生きる意思」がポイントだと、素直に感じられました。

 映画のキャッチコピーです=㊨=。公式サイトに次のようにあります。

 「このコピーは宮崎監督の代表作『風の谷のナウシカ』とも大きなつながりがある。・・・『風の谷のナウシカ』最終巻である第7巻の最後のコマにでてくる言葉、それが『生きねば・・・』である

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