2012

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東御苑はもう秋? キキョウが咲いてます

パレスサイドビルすぐ南にある皇居東御苑内二の丸休憩所前の"秋の七草園"で、秋の七草、キキョウの清楚で薄紫色の花が咲き誇っています。

秋の七草は、万葉集の山上憶良が詠んだ「秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 萩の花 尾花葛花 撫子(ナデシコ)の花 女郎花(オミナエシ) また藤袴(フジバカマ) 朝貌(アサガオ)の花」という歌から来ていますが、キキョウという名の記述はありません。

この歌に詠まれた尾花はススキというのははっきりしています。朝貌(アサガオ)の花については朝顔、昼顔、ムクゲなど諸説ありましたが、いつのころからかキキョウとする説が有力となり、現在に至っているようです。いわゆる朝顔については平安時代に遣唐使が初めて持ち帰ったので、憶良が詠んだころにはまだ国内になかったといわれていますし、万葉集には作者不詳で「朝顔は朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き勝りけり」という歌もあります。これからしても憶良の朝貌が朝顔でないことはよくわかります。そういえば、秋の七草園の花の名前を記した札にはキキョウのわきにカッコして朝顔と書かれていました。

ところで、キキョウは朝鮮語にすると「トラジ」。朝鮮にはトラジという古い民謡がありますが、日本で「トラジ」と聞くと焼肉屋をイメージする人も多いでしょう。事実、焼肉「トラジ」などと焼肉屋さんの屋号に多く使われているようです。日本語で表現すると、焼肉「桔梗屋」ですか。でも、「桔梗屋」とすると、旅館や信玄餅などの和菓子屋さんを連想しそうです。まあ、キキョウが歌に詠まれたり、いろんな店の屋号に付けられているというのは、それだけ多くの人たちに愛されているということなのでしょう。

 

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