パレスサイドビル西側の清水濠に架かる竹橋わき石垣の下にある小さな排水口から、時々水が流れ出ているのに気が付いたことがありますか? この水は下水ではありません。近くの国立公文書館、東京国立近代美術館の地下から湧き出る水を流しているのです。
国立公文書館によりますと、地下4階まで書庫になっているのですが、地下からは水が湧き出ており、ほおっておくと資料が水浸しになってしまいます。このため、地下12、3mのところに設置した大きな水槽に貯めて、一定の水位に達するとポンプアップして排水しています。地下水は3~4日で水槽がオーバーフローしてしまうほど湧き出ており、水槽からは1時間に約10トンの水を流しているそうです。
東京国立近代美術館は地下2階に湧水をためるタンクがあり、10日に1回の割でポンプアップして流しているといいます。
どちらも地下水のきれいな水を流しており、少しは清水濠の浄化に役立っているのかもしれません。しかし、石垣下の排水口から下水を流しているのでは、との誤解を受けないようするためなのか、竹橋の西詰の植え込みにはこんな小さな札が立っています。「排水について 清水濠下水口の排水は当館の地下湧水です。千代田区北の丸公園3の2 国立公文書館庶務課」