お彼岸が過ぎ、日が暮れるのが早くなってきました。帰宅時間の住宅街は、もうすっかり夜の暗がりの中です。この季節は、決まった家の近くで漂う甘美な香りが楽しみです。そう、キンモクセイ。自分では庭がある家には住めなかったけれど、他人の庭のキンモクセイでも季節感を味わわせていただけて本当にありがたい。
パレスサイドビルの近くでキンモクセイを探すとなれば、やはり皇居東御苑ですね。平川門から本丸を目指して坂を上り「松の芝生」広場まで行くと、キンモクセイの香りに包まれる一角があります。立派に成長したキンモクセイは、橙黄色の小さな花をいっぱい咲かせています。
うれしいことに、近くには白い花のギンモクセイや黄白色のウスギモクセイも咲いています。キンモクセイの花言葉は「謙そん」「気高い人」「真実」。花のサイズは控えめでも、香りが濃厚なせいなのか、「誘惑」「陶酔」の花言葉もあります。
芝生では、思い思いに寝そべって休息する人たちがいました。キンモクセイの香りの主成分にはリラックス効果もあるそうなので、皆さんも青空の下でのアロマテラピーを試してみてはいかがでしょうか。