先週末の毎日新聞朝刊に、文部科学省が公表した今年度の学校保健統計調査からの「高校生視力1.0未満65% 過去最悪、スマホ普及影響か」というニュースが載っていました。文科省がこの項目の集計を開始した1979年度以来、最も悪い数字になったようです。小学生と中学生も過去2番目に悪い記録で、特に高校生では最近3年間で10㌽も増えたということです。
また、別の調査では20代~40代は視力0.4未満が5割以上にもなっています。私たちは本当に目を酷使する時代に生きているのですね。
私も中学生のころ、授業中に黒板の字が読みにくくなったなと感じ始めて、席が一つずつ前の席のクラスメートと変わっていって、最後は一番前になるまでにそれほどの時間はかかりませんでした。次は当然、視力矯正、眼鏡をかけ始めてからン十年が経ちます。そのころは目が悪くなる最大の要因は「テレビ」でした。あと、なぜか「マンガ」も言われていました。マンガは読むことを制限されて、夜に布団の中で読んでいる、という分析だったのでしょう。今では「テレビ」で目が悪くなるという親も少なくなってきていますが、今年度の文科省の調査結果分析では「パソコンをはじめとするデジタル機器が普及し、特にスマートフォンや携帯型ゲーム機を、暗い部屋のふとんの中で眠る直前までいじるなど、目に負担をかける行為が生活習慣として広がっていることが要因の一つになっているとの指摘がある」とされていますから、まさに十年一日、繰り返しの分析です。
ところで調査結果の続きとしては、裸眼視力1.0未満の割合は、高校生65%以外では、幼稚園24%▽小学生30%▽中学生52%でした。
では、20歳代以上の大人たちはどうなのでしょう。「ソフトブレーン・フィールド」がクレディセゾンとの共同事業「レシートで貯める」のアンケートモニターで20代~70代の男女を対象に、今年の11月に調査した結果がウェブに見つかりました=グラフ㊤。
視力1.0以上は、「20代」24%、「30代」22%、「40代」24%、「50代」17%、「60代」17%、「70代以上」21%でした。文科省調査とは視力1.0以上か未満か、逆を聞いていますが、少なくとも大人たちの視力も低下していますが20代~40代は視力1.0未満77%前後、50~60代で視力1.0未満83%と、ここは加齢も加わった数字になっています。
さらに困ったことに、こちらの調査では視力0.4未満は全体で50%でした。年代別で見ると、視力0.4未満だった割合は、「20代」は52%、「30代」は55%、「40代」は50%。パソコンやゲームなどに接してきた20~40代では、視力0.4未満が5割以上となっていました。「50代」は47%、「60代」は36%、「70代以上」は30%ですから、やはりパソコンやゲームの影響は否定しきれないのでしょうか。
ライフスタイルについての調査=グラフ㊦=では、「パソコンを長時間使用する」割合は、最も低い「70代以上」でも66%でした。若年層だけではなく、70代以上の6割以上もパソコンを長時間使用していることが分かりました。一方、「テレビをよく見る」割合は、年代に関わらず6割程度。「ゲームをよくする」割合は、やはり「20代」が最も高くて24%でした。