2012

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富士山の宝永大噴火災害で復興税。でも、使い道は・・・。

 パレスサイドビル1階「MOTTAINAI STATIONSHOP」内に毎日新聞富士山再生キャンペーンの事務局があります。富士山を世界遺産に、という運動のほかアルピニストの野口健さんらと富士山や周辺のゴミの清掃活動など富士山の美しい姿を保つキャンペーンに取り組んでいます。

 ところで富士山について、最近話題になってきたのが大噴火です。富士山の噴火は直近では約300年前の1707(宝永4)年にありました。いわゆる宝永大噴火で、歴史に残る富士山三大噴火の一つです。この時は16日間にわたって断続的に噴火があり、東の方に火山礫や火山灰が降り注ぎ、火山灰は房総半島にまで達しました。現在の静岡県御殿場市や小山町では火山灰が3mに達するほど積り、周辺の地区も壊滅的な打撃を受けたそうです。

 その時に幕府が被災地に対してとった復旧・復興策が注目されます。小田原藩独力ではとても手に負えないことから幕府は、一時的に周辺一帯を幕府直轄領として幕府が直接救済に当たりました。また、財政ひっ迫の折から、翌年には復興のために降灰除去を名目として全国に高百石につき二石(2%)の税を課しました。復興のための目的税で、江戸幕府では目的税を徴収したのはこの時だけでした。だだ、集まった40万両のうち、実際に被災地救済に使われたのは16万両程度で、残りは幕府の財政に流用されたそうです。現在と江戸時代を同じ土俵で論じるわけにはいきませんが、東日本大震災の復興策や最近の増税論議の中で何か参考になりそうな感じですね。

 この時の救済のために税を徴収したことについては、平成17年の「中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会」の報告書案にも記載されていますが、復興に使われたのは一部で、半分以上が幕府の財政に流用されたことは書かれていませんでした。報告するまでもなかったと判断されたのですかねえ。

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