東日本大震災から10年の歳月が経過しました。「あの日、あの時、どこで何をしてたの?」という話題も、あまり口にしなくなりました。それでも、死者・行方不明者2万2200人にのぼる大災害は、被災地に今なお重くのしかかっています。
「パレスサイドビル50年史」を開いて、当時の様子を振り返ってみました。「2011(平成23)年3月11日(金曜)午後2時46分18秒、マグニチュード9.0の巨大地震が発生した」と始まる記述があります。
5階の毎日ビルディング本社では「揺れはさらに激しくなり、しかも経験したことのないような長周期の揺れが続いた。天井、壁のきしむ音が徐々に大きくなり、(中略)しゃがみ込んだり、呆然と立ち尽くす姿もあった」。揺れが収まると、社員らは建物内外の点検のためオフィスを飛び出しました。
耐震リニューアル工事を済ませたばかりだったこともあり、建物の損傷は軽微にとどまりましたが、スプリンクラー配管のずれからの漏水、エレベーターの非常停止、北の丸公園への避難、飲食店の炊き出し、帰宅困難者への対応など、緊迫した時間が続きました。
こうした経験をもとに、毎日ビルディングは入居テナントの皆さまとともに震災対応訓練を重ねるなど、備えを怠らないように努めています。東日本大震災の教訓を決して忘れずに過ごしたいと思います。