台風19号は大きな爪痕を残しました。被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。
都心ではそれほど大きな被害は報告されていないようですが、こまごまとは、いろいろとあるようです。パレスサイドビル前でも、街路樹がボッキリ折れて倒れているところがありました=写真㊤。場所は、ビルの西玄関を出て神保町方面に向かう方向。麹町警察署の竹橋地域安全センター(旧竹橋交番)の前の植え込みです=写真㊨。高層ビル街ではありませんが、地上9階建てのパレスサイドビル、その他のビル、高速道路などを縫って、どんな風が吹いたのやら。自然の脅威は想像がつきません。
この並木は東京都建設局が管理していて、植えられていたのは、エンジュ(槐)というマメ科の落葉高木のようです。特徴ある実がついていました=写真㊦。
エンジュは中国北部原産で、日本へはかなり古い時代に薬木として渡来したそうです。夏場に枝葉を茂らして木陰をつくってくれるほか、公害にも比較的強いことから、街路樹として各地で植栽されているといいますです。ちなみに、英語では「Chinese scholar tree」とも「Japanese pagoda tree」ともいい、学名は「Styphnolobium japonicum」。中国原産なのに学名に「japonicum」とあるのは、古い時代から日本で植えられていたため日本原産と誤認されたのでしょうか。
パレスサイドビルは、道路をいつも快適に利用できるようにと、東京都が提唱する「東京ふれあいロード・プログラム」に参加し、内堀通りの皇居側歩道200メートルほどにサルスベリ(百日紅)約50本を植えて管理していますが、そこも含め、メーン街路樹として植えられているエンジュは都の管理になっています。ただ、ビルの植栽などを管理している業者が13日に発見し、都の担当部局に連絡しました。また、安全確保のため、「立ち入り禁止」の黄色いテープも張られています。
被災地の一日も早い復旧をお祈りしています。
倒れた木がいつ撤去されるか。東京都全体ではきっと多くの被害が出ているでしょうから、残っている間、通行される方は、くれぐれもご注意ください。