秋です。パレスサイドビル向かいの皇居・東御苑も、春~夏の花たちの宴も去り、実りの季節を迎えています。
華やかだった二の丸庭園も秋らしいたたずまいになってきました。視線を少し上に向けて二の丸雑木林から中雀門、本丸跡の広場方面を歩くと、あざやかな赤い実を付けた木が次々と現れます。
写真㊤は雑木林で見かけたカマツカ(バラ科)。ネットで検索すると、コイ科の魚が出てきますが、こちらは植物。漢字では、魚も植物の「鎌柄」で同じみたいです。魚の方は鎌の柄のように硬い、あるいは煮ると鎌の柄のように締まることからの命名のようです。植物の方は、材質が硬くて折れにくいので、鎌の柄に使われたことから呼ばれるようで、材を牛の鼻環に使ったことから「ウシコロシ」の別名があるとされますが、一説には、牛が枝の間に角を入れると、抜くことができなくなるくらいに強靱なことからその名がついたという物騒な解説もあるようですが、さて、どうなんでしょうか。
北海道~九州の山地の日当たりのよい林縁に生える落葉樹で、高さ5~7メートルになり、樹皮は暗灰色、しわがあって、 斑紋状になります。4~6月に直径約1センチほどの白色の花が10~20個単位でまとまって咲き、10~11月に実が赤く熟します。7~9ミリの楕円形の可愛い実です。
中雀門の少し先で見かけたウメモドキ(モチノキ科)=写真㊨=は漢字で書くと「梅擬」。由来は梅に似ているということですが、葉が似ている説、花が似ている説などがあり、はっきりしないようです。本州~四国・九州の山中や湿地に分布する落葉の低木で、2、3メートルまでしか育ちません。6月ごろに淡紫色の花を咲かせます。実は直径5ミリほどの球状で、小鳥が好んで食べるそうです。今はまだ緑の葉がありますが、これから晩秋・初冬にかけて葉が落ちた後は、赤い実だけが枝いっぱいに残るので、また違った趣になるでしょう。
他にも赤い実をいろいろ見つけました。その報告は次回。