竹橋から九段下で半蔵門線に乗り換えて渋谷に行ったら、ハチ公前広場の緑色のモニュメント車両の窓に、前になかった案内板が出ていました。「SHIBUYA CITY Tourism Association」の文字=写真㊨㊦。聞けば、6月から外国人旅行者向けの観光案内所が開設されたそうです。
「シブヤ経済新聞」によると、渋谷区と東京商工会議所が共同で設立した渋谷区観光協会が開いたそうで、毎日10~18時、英会話のできる専任スタッフが1人常駐。時間帯によって、通訳ボランティアも手伝い、スペイン語、ドイツ語、中国語を話せる人もいるそうです。渋谷、原宿、代官山・恵比寿の観光マップなどを配布、特にハチ公に興味を持つ外国人観光客が多いため、解説パンフレットも置いているといいます。
昨年10月、試験的に開いたところ、26日間(1日3時間)で延べ417人(外国人84%、日本人16%)が訪れ、100円均一ショップやSHIBUYA109、代々木公園など特定の場所への道案内237件を中心に、飲食店・服飾店などの紹介143件、六本木・浅草など他エリアへの交通案内65件などの問い合わせがあり、ニーズがあると判断し、常設が決まったそうです。
青がえるは、1954(昭和29)年~59年に計105両が製造された東急「5000系」(全長約18メートル)。運転席の操作レバーや座席などは当時のまま残されています。2006年10月、「青少年育成活動の拠点」として区が東急から譲り受けて設置されました。
「5000系」は航空機の技術を応用した超軽量構造と、米国からの技術導入による最新鋭の電装機器を兼ね備え、それ以前の日本の電車とは隔絶した高性能と軽快なスタイルが一世を風靡。下ぶくれの愛嬌ある形態とライトグリーンの塗装から「青がえる」のほか「雨がえる」などの愛称で親しまれました。1980年頃までに東横線から退き、大井町線、田園都市線、目蒲線で使われ、1986年に東急での運用は全て終了しましたが、1970年代から松本電鉄など地方の私鉄にも譲渡され、ローカル線の近代化に貢献。熊本電鉄では今も「ケロロ電車」として土曜・日曜・祝日に北熊本駅~上熊本駅間を運行中という現役です(整備・点検等で運休の場合も)。
渋谷は東横線のホームが地上2階から地下深くに移転し、そのあとは再開発が進むなど、街の姿を劇的に変えようとしています。そんな中に佇む学生時代に通学で慣れ親しんだ電車は、何とも、ほっとさせてくれます。
思い返せば通学の時、この車両が来ると、ジュラルミンの新しいでなくてガッカリした記憶があります(1970年代のこと)。今から考えると、なんと浅はかだったんでしょう。