22日に開業する東京スカイツリーを設計したのが、竹橋のパレスサイドビルも設計した日建設計です。スカイツリーが法隆寺の五重塔をモデルに設計されたことはご存知の方も多いでしょう。中心を心柱(しんばしら)が貫く構造で、各層が独立した木組みにより共に支え合う相互作用によって免震・制震機能を備え、1000年を超えて地震や台風に耐えてきた法隆寺。その知恵がツリーに生きています。
さて、ツリーのおひざ元、押上駅前広場(交通広場)に面して墨田区営の「押上駅前自転車駐車場」があります。言葉で説明しにくいのですが、墨田区がチラシなどで使った下の完成予想図が分かりやすそうで、2階建ての構造物自体が一つの小高い丘のような姿になっています。手すりがついた緩やかな木製スロープを登って行くことができ、登りきった屋上は「憩いのスペース」で、ツリーと広場、すぐ脇を走る東武線などが一望でき、とても気持ち良い空間です。図の右側が広場、それを挟んでツリーという位置関係です。写真㊤は先週平日の夕方ですが、ツリーをカメラに収めようと見上げる人が見られました。
この駐輪場も、日建設計の設計です。地下に都営浅草線の躯体があって、難しい構造の話はパスしますが、杭が打てないために色々と工夫されているそうです。ここは「水の循環の大切さを見直すきっかけになるように」と、「雨水循環屋根」を採用しているのも特徴です(写真㊦はその案内板)。スロープを兼ねる「木」と、「石」「緑」の3つのエリアから地下に設けた雨水貯水槽に無駄なく水を集め、植栽への水やり、トイレ洗浄などに活用、そのためのポンプアップの電源は太陽光発電を利用するという徹底したエコシステムです。
駐輪場は朝4時45分~深夜0時45分オープン。当日スポット利用も1回50円と格安料金です。