東京・竹橋のパレスサイドビルのすぐ前の皇居東御苑の中に都道府県の木を植えた一画があります。1968(昭和43)年に同御苑が公開されることになり、各都道府県から寄贈された木を植えたものだそうです。今は茨城県の梅と大分県の梅(豊後梅)の花が咲き誇っています。
都道府県の木の中で最も多いのが松。蝦夷松(北海道)、琉球松(沖縄県)など日本の北と南の道県が選定し、南部赤松(岩手県)、黒松(群馬県、島根県)、赤松(岡山県、山口県)など合計9道県の木が松です。その次に多いのが杉で、秋田杉(秋田県)、神宮杉(三重県)、北山杉(京都府)など6府県が選定しています。
で、ちょっと不思議に思えたのが、桜を選定した都道府県がないことです。「桜の開花」「桜前線北上」「桜が満開」など連日のように桜の便りが話題になっているのにです。よく調べてみると、都道府県の花ではソメイヨシノ(東京都)、枝垂桜(京都府)、八重桜(奈良県)など4都府県が「花」として選定していました。やはり「花は桜木、人は......」ですか。
ちなみに日本の花は桜と菊だそうですが、菊を選定しているのは兵庫県(野路菊)だけです。国全体のシンボル的なものを選定する都道府県が少ないのは、自治体として国に遠慮があるからなのでしょうか。