先日、「三大怨霊」の話を書きましたが、日本人(だけじゃないかもしれませんが)は「三大」など「三」が好きですね。個人的に、受験で覚えた「フランスの三大河川はセーロガン」(セーヌ、ロワール、ガロンヌ)なんていうのが、時々頭に浮かんだりして......。
竹橋のパレスサイドビルが向かい合う皇居=江戸城と言えば徳川御三家。芸能界にも御三家、新御三家、三人娘などいました。世代により思い浮かべる顔は違うでしょう。
地理でも習う日本三景、日本三名園のように"公認"されているものもありますが、多くの「三大△△」は、客観的な選考基準があるわけでも、公的に判定されるわけでもないので、異論もあるようです。「三大瀑布」は華厳滝(栃木)、那智滝(和歌山)、袋田滝(茨城)=写真=の3つで定着していますが、落差日本一の称名(しょうみょう)滝(富山)を推す声が一部にあるとか(地元だけ?)。「三大稲荷」は、総本社の伏見稲荷(京都)は別格として、豊川(愛知)が続き、3つめは祐徳(佐賀)や笠間(茨城)など各地のお稲荷さんが名乗りを上げています。言ったもの勝ちという気もします。
食べ物では「三大地鶏」が有名。比内鶏(秋田)と名古屋コーチン、さつま地鶏(鹿児島)が通説ですが、以前、住んでいた茨城県では「鹿児島じゃなくて奥久慈しゃも(茨城県大子町)」と聞きました。数年前、宮崎県知事が「みやざき地頭鶏(じとっこ)を『四大地鶏』に加えて欲しい」と訴えた、なんていうニュースもありました。産地はブランド確立に必死です。
語ればキリがありませんが、最後におなじみなのを。「日本三大がっかり観光地(スポット)」は札幌、高知、長崎の有名な建物や橋や坂という声が多いようですが、沖縄の某名所など諸説あるとか。有名な割に、思いの外、小ぢんまりしてるってことでしょうか。世界に目を向けると、「三大がっかり」は、シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫像、そしてブリュッセルの小便小僧の3つで決まりのようです。