今月27日、28日に開かれる「東京名物神田古本まつり」のために、無料の丸の内シャトルバス「秋まつり号」が神田神保町などをめぐるルートに延伸して運行されます。パレスサイドビルの正面玄関脇に「竹橋毎日新聞社前」という臨時のバス停留所が設けられ、会場の神田神保町古本屋街からノンストップでこのバス停まで行くことができ、また、このバス停からノンストップで古本屋街に着きます。
シャトルバスの竹橋毎日新聞社前からのルートでは、神保町古本屋街、小川町スポーツ店街、秋葉原和泉船着場前を通り、昨年4月に完成したばかりの日本橋南詰船着場前につながっています。
この船着場は、あの日本国道路元標があり、「麒麟の翼」で有名な石造りの日本橋南側のすぐ脇、滝の広場にあります。道路から一段下がり、入口もあまり目立たない小さな広場ですが、夜になるとライトアップされ2面の壁に流れ落ちる滝が黄金色に浮き出ます。
この広場は江戸時代には間口5間(約9m)奥行1丈(約3.3m)の小屋があり、その周りに縄囲いをして罪人を晒した場所でした。犯罪人が刑に処せられる前に見せしめのために午前8時ごろから午後4時ごろまで3日間、通行人らにさらされたのです。最初に晒し刑になったのは心中未遂事件を起こした津軽岩松藩の武士、原田伊太夫と吉原の遊女、尾上で、二人の物語は新内節や岡本綺堂の戯曲「尾上伊太八」の元にもなりました。
滝の広場から船着場に出るところが「双十郎河岸」=写真。日本橋架橋100周年の記念歌舞伎公演をした市川團十郎と坂田藤十郎の東西の歌舞伎役者の重鎮二人の十郎からとって昨年7月に命名されました。命名の記念碑セレモニーでは二人がこの河岸から屋形船に乗り込んで日本橋川クルーズに出かけました。
神田古本まつりの日には秋葉原和泉防災船着場から神田川のお茶の水渓谷を通り、日本橋川のパレスサイドビル北側の雉橋、一ツ橋などをめぐり、日本橋南詰船着き場で折り返す神田川・日本橋川クルーズが運行されます(有料)。日本橋南詰船着場で下船もできます。
古本市を堪能したらシャトルバスで秋葉原和泉防災船着場に行き、神田川・日本橋川クルーズを楽しみ、日本橋南詰船着場で下船して双十郎河岸の石碑や滝の広場を見てはいかがですか。