内堀通りの歩道に建つ鉄柱。な~んでしょ?
高さ約5メートル。電線がつながっているわけではありませんから、電信柱ではありませんね。場所は、パレスサイドビルの東玄関前です。
種明かしというほどではありませんが、これ、タクシー乗り場の庇を支える柱なんです。
写真㊨㊤と写真㊨㊦は庇があった時と今の比較です。なんか、いつもあるものがないのは、スースーして落ち着きませんね。
この春、1969年に設置された庇の本格的な改修に着手し、屋根を外したのですが、50年近く風雪に耐えてきたものだけに、 構造物が思いのほか傷んでいたため、改めて改修計画を練り直していました。お盆も明け来週から本格的な工事を再開し、9月末に完成予定です。
さて、実は、この庇ができる前、ビル開館当時は、ここには立派な車寄せがありました。「パレスサイド・ビルディング50年史」(2017年10月刊行)に詳しく書いていますが、写真㊧㊤が1966年10月の開館当時の風景です。庇は12メートル四方の巨大なものでした。車もクラシカルですね。
ところが、内堀通りの拡幅計画のためにビルの敷地の一部を提供することになり、ビル前はすぐ都道になり、歩道も整備され、庇は都の許可を得て歩道を覆う形で設置されることになりました。
そうして完成した1969年末の様子が写真㊧㊦です。よくご覧ください。球状の屋根が二つ並んだ形(左右各6.4メートル幅)なのですが、その屋根が三角にせり上がっていますね。そう、電動で屋根が半分開閉する仕掛けなのです。正直に言って、なんのために開閉機能を持たせたのか、今となっては謎。実際、庇がどのような時に開閉されたのか、いつまで開閉されていたのかなども、はっきりしません。むろん、長いこと開閉を行ってはいませんし、今回の改修でも、開閉機能の復活はしません。
改修工事は、できるだけビル関係者、通行のみなさんの邪魔にならないよう、原則として夜間(午後10時~午前6時)に行い、天候などのため工程が遅れるような場合は日曜等の昼間も工事することがあるかもしれません。いずれにせよ、玄関の半分が通行止めになるなど、ご迷惑をおかけしますが、どうかご理解ください。