いろいろな「ゆるキャラ」の人気を競うコンテストについては、当ブログで逸早く応援してきた千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ、ふなっしーが8月の「総選挙」(日本百貨店協会主催)で初代チャンピオンに輝いたことは報告しました。今、熱いのは「ゆるキャラグランプリ(GP)」です。あす11月8日が投票締め切り。
このGPは、2011年にくまモンが栄冠に輝き、その後の大ブレークにつながったのは有名で、ゆるキャラ界の頂点を決める一番権威のあるコンテストです。
そこで、今年の状況はというと、これが「組織選挙」なんですって。9月17日にインターネットで投票が始まり、10月7日まで途中経過が公表されていましたが、その上位は①出世大名家康くん(静岡県浜松市)32万pt(ポイント)②さのまる(栃木県佐野市)23万pt③ぐんまちゃん(群馬県)16万pt――がトップ3。以下、④ちょるる(山口県)、⑤ふっかちゃん(埼玉県深谷市)、⑥与一くん(栃木県大田原市)、⑦いっぺー(静岡県磐田市)までが10万pt以上を集めていました。投票は、オフィシャルサイト(http://www2.yurugp.jp/)でアドレスを登録し、1日1回投票できるという仕組みなので、毎日投票する「組織票」が勝敗のカギということでしょう。写真は㊤が家康くんの8月27日の選対会議(右端は鈴木康友浜松市長)、㊧がさのまるの9月2日の出馬表明(右は岡部正英市長)、㊨㊦が9月17日に県庁前で支持を訴えるぐんまちゃんです。
実際の選挙ぶりを、毎日新聞10月31日夕刊が1面で報じています。家康くんやさのまるはそれぞれ浜松市長、佐野市長をトップに「選対本部」を設けて役所で出陣式を行い、市職員が企業や団体回り。ぐんまちゃんも10月に県庁で総決起集会を開いた・・・等々、国政選挙並みの盛り上がりだとか。別の報道では、某県庁で1日1回必ず投票するよう、職員のパソコンをインターネットに接続するとグランプリの投票画面が表示されるように設定されているという話もあります。
日本史家の磯田道史さんは新聞紙上のコラムで、家康くんの訪問を受けた場面を紹介、組織選挙批判を受けていると聞かされて、「組織力で天下を獲った家康らしくて、いいじゃないですか」と笑い転げたという趣旨のことを、ちょい皮肉っぽく書いていました。
ちなみに、ふなっしーは昨年のGPにエントリーしたものの、出場880キャラ中506位と散々でしたが、その後にブレイクしたのはご存知の通り。夏の総選挙で天下を取ったので、今回のGPは出場辞退したそうです。
こういう状況、皆さんはどう思うでしょうか。組織選挙までやるのは、もちろん、くまモンの成功にあやかり、全国区の人気を得て地域おこしに生かしたいということでしょう。まあ、その動機は理解できます。けど、2010年(記名投票と携帯投票の2本立て)で記名1位のひこにゃん(滋賀県彦根市)はまだしも、携帯1位のタボくん(滋賀県)は知ってる人、います? ふなっしー惨敗の昨年GP優勝のバリィさん(愛媛県今治市)も全国的な人気はどうですかね。結局、くまモンの一人勝ちで、ゲリラ的に出てきたふなっしーが一矢報いてるという感じでしょうか。GP優勝でも、即メジャーになれるというほど単純ではないようです。
GPへのエントリーは今年、1500キャラを超えました。結果は11月24日、埼玉県羽生市である「ゆるキャラさみっとin羽生」で発表されます。