千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ、ふなっしーが天下を取りました。各地のご当地キャラクターが人気を競う「総選挙」で、ふなっしーが堂々の初代チャンピオンに輝いたのです。8月6日に大丸東京店(東京都千代田区)であった表彰式で「感謝してるなっしー」と、トロフィーを手にお得意のジャンプを披露し、喜びを爆発させました=写真㊤。
キャラの人気投票では、秋に行われる「ゆるキャラグランプリ」が先駆けで、2011年にくまモンがグランプリに輝き、その後の大ブレークにつながったのは有名です。今回の「総選挙」は日本百貨店協会の主催で、「各地の百貨店を舞台に、ご当地キャラとヒーロー、ファンの方達と一緒になって日本を元気にするために立ち上げた」(同協会ホームページ)といいますが、はっきり言って二番煎じ。既に名前が売れているくまモンやバリィさん(愛媛県=2012年のグランプリ獲得)、ひこにゃん(滋賀県)、せんとくん(奈良県)などの"一流どころ"は参加していませんから、どこまで盛り上がるか、不安視する向きもあったのではないでしょうか。
そこにふなっしーの登場でした。彼のことは当ブログでも5月2日以降、何度も書いているように、テレビ番組やCMへの出演など、すでに超人気者ですから、いまさら総選挙でもなかろう、と思われますが、そのおかげでしょう、表彰式の様子は毎日新聞をはじめ、ほぼ全ての新聞が7日朝刊社会面で報道。テレビでも多くの局が伝えましたネ。ふなっしーが出場しなかったら、こんなに注目されなかったでしょう。恐るべし、ふなっしー効果。
票数を見ても、勝負は決まっていた感じです。総選挙は全国約480のキャラが立候補、全国7地区の予備選(3月30日~4月21日、ウェブ投票のみ)で各地区上位3キャラ(関東は6キャラ)を決定、続く地区予選(5月11日~6月16日、百貨店店頭投票&ウェブ投票)を勝ち抜いた7キャラ=写真㊦=で決勝(7月10~25日、ウェブ投票のみ)が争われました。決勝進出7キャラの予選得票を見ると、ふなっしーが39万票台と、2位いしきりん(大阪府、18万票台)以下を既に圧倒。決勝の投票総数3万3573票の中でも、ふなっしーは1万1220票を獲得し、2位オカザえもん(愛知県、7840票)、3位ことちゃん(香川県、6698票)などを寄せ付けませんでした。
いまさらですが、改めてふなっしー人気の秘密をおさらいすると、「ゆるキャラ論〜ゆるくない『ゆるキャラ』の実態〜」の共著があるデザイナーの犬山秋彦さんが、毎日新聞8月3日夕刊で「非公認なのが強み。お役所の『お墨付き』なしでも頑張る姿が庶民の共感を呼んでいるのでは」と分析する通り、公式キャラのように行動を制約されない自由さ、破天荒さが大きいのでしょう。
でも、ちょっと心配があります。激しい動きと独特の声がふなっしーの特徴ですが、逆に、だから、中に入る人は余人をもっては代えがたいでしょう。この暑い季節、体力が持つのかなぁ~。