皇居東御苑内南西にある野草の島でメドハギの小さな花が咲いていました。ヒョロヒョロと伸びた茎にいくつもの白い花がついています。花びらの基部には紫色の斑点があります。
秋の七草にハギ(萩)の花が詠まれていますが、メドハギをさしているわけではないようです。雑草と言ってもいいくらいで、根に根粒菌があり、空気中の窒素を取り入れて肥料とするくらいに強い植物です。やせた土地でもよく育ち、道路の斜面や砂防現場などで緑化のために活用されています。
茎はまっすぐ伸びて、竹ひごのような筮(メドギ)として占いに使われていたことからメドギハギが転じてメドハギという名になったそうです。その後、筮は竹で作った方が簡単なので竹を使うようになり、占いには筮竹ということになったようです。
野草の島には同じハギの仲間でヌスビトハギも花を咲かせていました。ヌスビトなどとこの草にとっては何とも迷惑な名前が付けられたのですが、実の形が泥棒が歩く忍び足の足型に似ていることからその名がついたというようです。また、身には毛が密生しており衣服に張り付くことから、こっそりとつくというのでヌスビトという名がついたという説もあります。
メドハギにしてもヌスビトハギにしても名前の由来は歴史というか、なんとなく文化というようなものが感じられませんか。