独活と書いてウド。一人で就職などの活動をすることでも、ドイツで生活することでもありません。春先に八百屋さんの店先に並ぶ山菜のことです。独特の歯ざわりと香り、そしてほのかな苦味は、酢味噌であえて食べると何ともたまらない味わいです。天ぷらにしてもよし、黒くなるまで焼いて皮をむいて味噌をつけて食べる焼きウドにしてもよし、きんぴらにしてもよし、で食感はいかにも春が来たという気になります。
そのウドがパレスサイドビルすぐ前の皇居東御苑二の丸雑木林で、白い花を咲かせていました。花は今頃咲くのですね。細く長い茎からヒューッと伸びた枝の先にさらに細い枝がいくつもの球形に広がってその先に小さな花がついています。白く小さな千輪花火のようにも見えます。
風のないのに幹から動いているように見えるため、「うごく」から転じてウドと呼ばれるようになり、「独活」と書くようになったのもこれに由来するといわれているそうです。また、芽が土から盛り上がってくるように出てくるため、土が生きているように見えることから「生土」でウドになったという説もあります。
「ウドの大木」という慣用句があります。大きくなる高さ2mまで伸びますが、茎は柔らかくて弱いため材木にするわけにもいかず、かといって食用にもならないので、図体だけ大きくて役に立たない人のことをさして言います。薬用にもなるウドにとっては何とも迷惑な喩(たとえ)ですよね。キャイ~ン。