山岳鉄道の国スイスで、いやヨーロッパ全体で一番高い標高の駅をご存知ですか?
その名もTop of Europe ユングフラウヨッホ駅です。標高3,454m で富士山山頂より少し低いくらいです。
登山基地の町、クライネシャイデク駅(標高2,061m)を出発した列車は20分ほどするとトンネルに入ります。有名なアイガー北壁の裏手になり、列車はその岩盤を掘り抜いたトンネルを進むのです。途中にアイガーヴァント駅(標高2,865m)、アイスメイア駅(標高3,158m)というふたつの駅があり、列車はそれぞれ数分間の休憩を取ります。列車を降りて通路を少し歩くと厚いガラスの窓にたどり着きます。眺めてびっくり、そこはアイガー北壁の中腹なのです。
そしてゆっくりと列車は進み、ユングフラウヨッホ(ユングフラウの肩の意味)駅に到着します。ユングフラウは若いお嬢様の意味。お嬢様の肩に乗っての眺めは最高です。360度、スイスアルプスが白銀に輝いています。高低差108mのエレベーターを昇り切るとスフィンクス展望台です。眼下に世界自然遺産のアレッチ氷河が広がっています。
ユングフラウ鉄道は19世紀から計画され、最終的に貫通したのがちょうど100年前の1912年8月です。観光立国しかない、ということで、国中に鉄道網を張り巡らせたスイス国民の計画性、根気強さ、団結力...。頭が下がるばかりです。