なんといっても鯉でしょう。広島カープもセ・リーグ首位を快走中ですから。パレスサイドビルでも、この季節恒例、鯉のぼりが1階・地下1階の吹き抜けを元気に〝遊泳中〟です=写真㊤。もう、皆さんご存知ですよね。この展示、もう、きょう(5月1日)あす(2日)を残すだけ。3~6日の連休後半、ビルは旗日は休館なので、ひと足早く、鯉は〝店じまい〟です。
この鯉のぼり、館内の飲食店や商店の有志で組織する「パレスサイドビル名店会」(岡田洋明会長=「ティールーム花」を運営する「さかえ㈱」社長)が、季節感あふれる日本の伝統的風習に触れてもらおうと、7年前から毎年この時期に展示しています。
これらの鯉のぼりや武者のぼり は、岐阜県の無形文化財に指定されている郡上八幡の紺屋「渡辺染物店」の名品なんですが、その解説が、今年は充実しています。地下1階通路の中央に5枚のパネルを立て、表・裏に写真を解説分で詳しく紹介しています=写真㊧㊦。さわりだけお知らせすると、この染物は400年以上前から伝わる郡上本染の技法で染め抜いたもので、餅糊で様々な柄や文様を手描きで描いた布を、甕(かめ)で藍玉や木灰、石灰、麩(ふ)などを入れて醸成させた染液に何度も浸した上で、冬の時期に郡上八幡の中央を流れる吉田川でさらして作られたもの。味わい深い色合いが魅力ですね。
今年も、武者のぼりが登場しています。その解説もパネルにありますが、写真㊨は豊臣秀吉の田割譲水攻めの図。上部中央が秀吉、右後方が福島正則、手前が加藤清正です。織田信長の命を受け毛利討伐に乗り出した戦でしたが、本能寺の変を受けて、毛利側に知られる前に和議を結んで京都にとって返した「中国大返し」につながる戦です。もう一枚の武者のぼりは武田信玄・上杉謙信の川中島の戦いで、いずれも水が絡むのは、絵柄として水の青色がほしいということでしょうか。