竹橋周辺にも道端にいろんな銅像が立っていることは、当ブログでもちょくちょく紹介していますが、今日はちょっと離れたサザエさんの話。
世田谷区・桜新町には人気漫画「サザエさん」一家の銅像があります=写真㊤、㊧。東京都がこれに固定資産税を課すといって、ちょっとした騒ぎになっていたことをご存知の方も多いと思います。これが、最近、課税を免除することで決着したそうです。
堅い言い方をすると、街の銅像の「公益性」をめぐって揉めた末、都がそれを認めたということ。都が勇み足で課税してしまった、つまりしくじったということでしょう。
桜新町に、なぜサザエさんかというと、作者の故長谷川町子さんが住んでいた縁です。近くに「長谷川町子美術館」もあることから、地元の桜新町商店街振興組合が町おこしに生かそうと、マンガ誕生65周年(2011年)を記念して像建立を計画。都や区の補助も受け、4200万円をかけて12体を2012年3月に完成させました。これに対し、都は、銅像が商店街のPRを目的にした「事業用資産」だと判断し、今年6月、像の評価額に1.4%の税率をかけ、納税を求めてきたというのです。税額は約60万円で、商店街側は4分の1の15万円を納めたうえで、「地域振興が目的」と訴え、税の減免を求めていたところ、このほど、未納の45万円を免除するという決定が商店街に届いたということです。
各地の似たような像も、地域によって課税・非課税が割れています。江東区の派出所を舞台にした漫画「こち亀」の「両津勘吉」ら14体の銅像は13体が区の所有、残る1体も神社の所有ということで、文句なく非課税。新潟市の野球漫画「ドカベン」の像は市商工会議所と商店街が製作・所有し、「商工会議所は公的団体」ということで非課税。鳥取県境港市の商店街の13体の魚のオブジェは商店主らが作るNPOの所有ですが、市は公益性を認めて非課税にしているとか。宮城県石巻市の仮面ライダー像は、1体は市に寄贈され非課税、JRが石巻駅ホームに設置している1体は課税されているそうです。
商店街は営利事業であるお店の集合体ではありますが、地域の活力の要であることは、シャッター商店街になって町全体が衰退している地方の例など見れば明らかです。うちの近所でもPTA会長を代々、商店街から選ぶのが慣例になっている小学校もあります。桜新町でも、交通安全運動で波平さんがたすきをかけたりして、地域に貢献してるんですから=写真㊨。
税金は原則が大事で、恣意的にかけたり、おまけしたりしちゃいけないものと、教わりました。ならば、都が既に徴収した15万円は返さないのでしょうか。商店街もそこは求めていないようで、残り45万円が免除されてよかったということでしょうが、課税しないと決めた以上、一部だけもらっておく、あとは「お目こぼし」というようでは、理屈が立たないって、個人的には思いますけど。