こぼれ話

こぼれ話

パレスサイドビルのはと

屋上に遊ぶ鳩たち

ビル屋上の片隅に向けると、羽を休め、また飛び立とうとしているアルミブロンズのハトがとまっているのに気づかれるでしょう。ビル設計者はかつて新聞社が原稿を運ぶ手段として利用していた伝書鳩を平和のシンボルとして、現在も毎日新聞社が入る当ビルに意匠的な遊び心で置いたのです。
作者は一色邦彦氏で、ビル建設当時に彫刻の高村光太郎賞を受賞、その後多くの各種受賞作品を制作しています。

夢の階段

世界的な注目を集めた手作りの「夢の階段」

当ビル、1階の中央廊下と地下1階コンコースの吹き抜け空間を「夢の階段」という魅力的なデザインの建造物で結んでいます。

設計者は単なる階段という概念を超え、空中に浮かんだような造形美のある構造物を前提に考えたようです。階段の構造部材をなるべく見せないで、階段が雲に浮かんでいるイメージを描いたのです。

直径6ミリのステンレス線でネット状に組み、その交点にアルミ鋳物の段板を止めて吊る方法を取ったのです。荷重は段板両サイド下の直径28ミリのステンレス棒に集め、各々の両端を1階と地下1階の床に固定、また撓(たわ)みは手すりのステンレスパイプで吸収し解決しています。

「夢の階段」は西ドイツ(当時)の建築誌で紹介されました。世界的な注目を集めた記念すべきモニュメントなのです。

P・S特殊レンガ

60万個を数えるP・S特殊レンガ

当ビルの東西両端4か所には、非常階段の窓を取り入れた茶褐色のレンガ(煉瓦)が空高く積み上げられています。各階の非常階段壁面やお堀側道路のへりにも使われていますが、その数は全部で約60万個にもなります。

このレンガはビルの建築に風格と重みを加えています。日建設計などが、土管類の産地・愛知県半田の窯に残された英国風レンガの焼き方の技法を生かし、新レンガの開発に成功したのです。

レンガの風合い、豊かな質感を持ちながら、物性強度が高く、高品質のマンガンが入った新しいレンガは当時の三木武夫・通産相によって「P・S(パレスサイド)特殊煉瓦」と命名されました。現在は当ビルの特注で、建設当時の品質を保ったレンガが高松市のタマモ陶業協同組合で焼かれています。

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