【2018年8月】のアーカイブ

 パレスサイドビルが今週、テレビ東京の「朝の!さんぽ道」に登場しました。8月27日(月)午前7時45分前後でした。

 この番組は、2017年4月3日に始まった「ほんわか散歩番組」で、月~金曜の午前7時35分~8時に放送。「今話題になっている街を訪ね、様々な人にふれあいながらブラブラ街を散歩します。『あっ!』と驚いたり、『へ~!』と感心したり、思わず声に出したくなるような不思議なモノや人を探していきます」(番組ホームページより)とのこと。

 27日の週のテーマは「皇居」。レポーターのタレント、中山エミリさんが九段下から順に時計回りに1周です。

 初日の27日は、「江戸東京ガイドの会」の高田隆子さんが案内。日本武道館、靖国神社から始まり、▽街道沿いの「高燈篭」はビルなどのない時代は灯台として品川沖からも見えたこと、▽「九段坂」は江戸時代には文字通り9つの段差があり、関東大震災の後に整備されなだらかな坂になったこと、▽皇居の「田安門」は、皇居に現存する最古の門で、門を抜けると小さな広場があり、右の別の門を通って出る「枡形門」(敵が攻めてきたら広場に閉じ込めやっつける)であるなどの解説を聞・①新聞社集合.jpgきながら歩いて、竹橋へ。

 ここは大手町のいわば入り口で、地図で「毎日新聞など4つの全国紙の本社が集中していることを、まず地図で紹介=写真①

 そして、いよいよパレスサイドビルに到着です。今回のお目当ては地下1階の「タカサゴ」。江戸時代から続くレストランです=写真②。ここで、ガイドの高田さんとは別れ、中山エミリさんが、タカサゴに突撃=写真③・③ガイドとエミリ.jpg第12代店主の熊谷浩晃さんが、江戸時代には新撰組の近藤勇が訪れたという言い伝えなどを解説=一番上の写真④。お勧めのカツスパに中山エミリさんが舌鼓を打って=写真⑤、めでたしめでたし。

番組はこの後、皇居東御苑から大手町のパレスホテルあたりまで回って、この日・④エミリ タカサゴ前.jpgの分は終了しました。

 ちなみに、「タカサゴ」の歴史は、高瀬屋七兵衛が慶安3(1650)年に神田三河町(現在の内神田1丁目)で、一膳飯屋・高瀬屋を創業したのが始まりとされます。その後の変遷は、「神田学会」というNPOのサイトの「百年企業のれん三代記」(神田で三代以上のれんを守ってきた老舗にスポットをあて、初代から現在に至るまでの歴史を写真と文章で紹介)というコラムの第22回で詳し・⑦エミリ カツスパ.jpgく紹介されています(http://www.kandagakkai.org/noren

/page.php?no=22

=写真

 パレスサイドビルが『環境デザインマップ 日本』(建設設備綜合協会環境デザインマップ委員会編、発行・総合資格、1900 円=税別)=写真㊨は表紙=で、冒頭3つの名建築の一つとして取り上げられています。IMG_20180823_132339.jpg

 同書は冒頭3作品+全国137カ所の「環境建築」、さらにコラムなどで取り上げた建物などを含め計145作品を写真や図面、地図入りで紹介したガイドブック。

 冒頭では、環境に配慮した「環境建築のエポックメーキング作品」として、国立代々木競技場(渋谷区)、名護市庁舎(沖縄県)、そしてパレスサイドビルを、いわば〝別格〟で紹介。「公害や地球温暖化、省エネといった環境問題に対する意識の高まりとともに、建築の分野においても環境技術が発展してきた。環境に配慮した多くの建築作品がこれまで建てられてきたが、そこには時代をリードし指標となった作品がある」として、「レジェンド(伝説)と呼ぶにふさわしい」と書いています。もう、これ以上ない表現ですね、恐縮、恐縮・・・。

 パレスサイドビルのページ(見開き)=写真末尾=は「庇と雨樋の一体化」というサブタイトルが付けられ、注目すべきポイントとして「建物の四方はガラスのファサードとなっている。日射熱負荷を低減するために、南北面には水平ルーバーが、東西面には、朝と夕方の低い日射を遮るためのサンコントロールルーバーがデザインされた。南北面の水平ルーバーは雨樋と一体にデザインされ、雨樋が日除けルーバーを支える構造となっている。降雨時は雨水が流れていくのを見ることができる」とデザイン性と機能の一体化を特筆。そこに添えられた図面が一番上の写真です。

 さらに「1966 年の竣工当時は高度経済成長期で、公害問題が表面化し、大気汚染による汚れた都市の空気から建物の居住者をいかに守るかが議論された時代だった。そのような背景のもと、電動式大型ブラインド、スチール型鋼のサッシ、空調二方向吹出口、厚板ガラスフレームレス間仕切り、15mm 厚板ガラスの手摺など、この建物には現代にもつながる革新的な技術がいくつか開発された」と、その先進性も詳述しています。

 同書は縦長のB5 判変形280ページ。帯には「本書を片手に建築散歩に出かけよう!」と書かれている通り、持ち歩きを想定し、傷みにくいようにしっかりしとした作りになっています。インタビュー記事や、専門家の解説などもふんだんに掲載し、読みやすいように工夫されています。

 夏は社会全体の活動が鈍り、特にお盆前後は長期休暇の方も多いから、電車もガラガラです。で、こんなブログでも、ネタに困るのは「夏枯れ」とでもいいましょうか。

 ということで、クーラーのきいた部屋から外に出るのがしんどいと思いつつ、たまにはパレスサイドビルをぶらっと出てみようと思い立って、昼休みに江戸城(皇居)の東御苑へ。なんか、花が咲いてんだろうとキョロキョロしますが、なかなかありません。

 二の丸池に辿り着くと、ようやく、池の周囲に濃いピンクや白色の百日紅(サルスベリ)を発見。でも、内堀通りのサルスベリを2週間前に書いたばかりだし・・・。

 そこで、水面に目を向けると、かわいらしい黄色い花が見えました。・ヒメコウホネ.jpg

 まずはアサザ(浅沙)=写真㊤。ナスの仲間(ナス目)のミツガシワ科。縁が細かく裂けてフリルのようになった直径3~4センチの黄色い花をつけています。花びらは5枚ありますが、花の根元はつながっている「合弁花」。日本だけでなくアジア~ヨーロッパにかけ、ユーラシア大陸に広く分布しています。花言葉は「しとやか」「平静」だそうです。

 お次はヒメコウホネ(姫河骨)=写真㊨。水面から茎を伸ばして直径3~4センチの鮮やかな黄色の花を1輪ずつつけています。日本原産で、本州~四国~九州に広く分布するスイレン科ですが、その中でも水中にある根茎が白くゴツゴツして骨のように見えることから「河骨」・かいこうず3.jpgと書かれるようになった「コウホネ」の仲間。花言葉は「崇高」です。なんか、カッコイイですね。

 アサザが5月中旬~10月中旬、コウホネが4月下旬~9月下旬に咲くと言いますから、結構長いこと楽しめるんですね。他のカラフルな花があまり見えないこの季節、小さいながらも目立つということでしょうか。

 東御苑から平川門方向に戻る途中、都道府県の木をあつめたコーナーがあり、ここも葉っぱの緑色ばかりが目立つ中、一隅で赤い花を見つけました。鹿児島県のカイコウズ(海紅豆)=写真㊧㊤、アップにしたの・かいこうず.jpg㊧㊦。南米原産で、アメリカデイゴともいうそうです。県のホームページにはつぎのようにあります。

 「南国的な情緒・雰囲気を感じさせるということから選ばれました。マメ科の落葉高木で、高さ5メートルほどになり、夏から秋にかけて、長さ4~5センチメートルの赤い花を付けます。年に2~3回咲かせる赤い花と緑の葉のコントラストが鮮やかで、いかにも南国的な感じです。」

 日本へ渡来したのは江戸時代末期とのことですから、せごどん(西郷隆盛)も、この赤い花を見て維新への思いをたぎらせたのでしょうか。

 トヨタ自動車の高級ブランドLEXUS(レクサス)の公式サイト内で発信しているライフスタイルメディア「VISIONARY」(https://lexus.jp/magazine/)に、パレスサイドビルが掲載されています。題して「日本のオフィスビルの至宝」。いや~、凄い表現。激賞ですね。ありがとうございます。

 「VISIONARY」は、「CAR」「CULTURE」「CRAFTMANSHIP」「EXPERIENCA」「SPORT」「TECHNOLOGY」の6つのカテゴリーに分けて、記事やコラムを掲載しています。なにせ、レクサスですから、丁寧で高級感漂うページ作りは、さ・す・が、っていう感じですね。

 で、パレスサイドビルですが、6カテゴリーの中の「CRAFTMANSHIP」の「コラム」のなかの、「建築家・藤本壮介が選ぶ、いまこそ注目すべき日本の『名モダニズム建築』8 選」(https://lexus.jp/magazine/20171206/121/cra_jpn_architecture.html)で取り上げられました(アップされたのは2017年12月です)。

 短いので、文章をそのまま再録します。

 「若き林昌二の傑作にして、日本のオフィスビルの至宝。円筒形の重厚なコアと軽やかなオフィス部分の対比が美しい。ワイングラスが連なるような雨樋と軽やかな日除けによって生まれる外装は、どこか日本の伝統建築を思わせる」

 ちなみに、文中の林昌二さんは30代で日建設計のパレスサイドビル設計チームのチー・TKH_8508.jpgフを務めた方。 「ワイングラスが連なるような雨樋と軽やかな日除け」は、一番上のコラムの画面の右側の写真です。窓のところにあるのですが、ちょっと見えにくいので、写真㊨をご覧ください。横から見るとこんな感じなのでわかりやすいと思います。見た目の美しさと実用性を兼ね備えたものとして、建築から半世紀余り、度々専門家の評価をいただいているところです。

 コラムの筆者の藤本氏は建築設計事務所を主宰し、日本建築大賞、JIA 新人賞など多数を受賞している新進気鋭の建築家として注目されている方です。

 8選のうちパレスサイドビル以外は、次の通り。

①丹下健三の最高傑作──代々木体育館(設計:丹下健三、1964 年竣工)」

②太古の洞窟を思わせる圧倒的な内部空間──東京カテドラル(設計:丹下健三、1964 年竣工)

③日本の伝統と近代の美しい融合──東京文化会館(設計:前川國男、1961 年竣工)

④緑に埋もれた都市の中の別世界──日仏学院(設計: 坂倉準三、1951 年竣工)

⑤近代建築らしいダイナミズムを感じる──岡本太郎記念館(設計:坂倉準三、1954 年竣工)

⑥近代日本の執念を見ることができる──日生劇場(設計: 村野藤吾、1963 年)

⑦独創性に溢れた傑作──武蔵野美術大学鷹の台キャンパス(設計: 芦原義信、1962 年竣工)

 いずれも1950~1960年代の傑作ばかり。オフィスビルではパレスサイドビルが唯一の選定です。

 夏の花の代表格と言えるのが、百日紅(サルスベリ)。パレスサイドビル前の内堀通りの歩道には、200メートルの間に約50本の百日紅が、今年もピンクや赤、白の花を咲かせています=写真㊤

 この並木、道をいつも快適に利用できるようにと、東京都が提唱する「東京ふれあいロード・プログラム」にパレスサイドビルが参加し、管理をしているものです。2002年度から始まったので、今年で17年目。当初に植えた中には、くたびれてきたものも。確かに、この環境は植物の生育に、あまりよさそうではありませんね。地面は植えられた幅1メートル足らずの土の部分を除けば、一面舗装されていて、木の根っこはコンクリートの下に広がっています。空気も、自動車の排ガスなどでよくはありません。・IMG_20180802_102241.jpg

 ということで、パレスサイドビルは昨年末から今年2月にかけ、傷みが目立つ百日紅10本を植えかえました。西側、地下鉄への階段に近い方の木が中心です=写真㊨。まだ背が低くて幼い感じですが、花はちゃんとつけていますよ。

 さて百日紅は、春の芽吹きは他の多くの木たちの中でもけっこう遅めなのですが、ひとたび咲き始めると花期の長い花で、概ね7~9月にかけて100日咲くというのが名前の由来です。もちろん、1つの花が3カ月咲き続けているわけではなくて、1つの花が咲いて散った後、同じ木から新しい花が次々と咲くので、咲き続けているように感じられます。これだけ長期にわたって花が絶えないので、並木としては植える側にとってはありがたい木です。

 百日紅は花の色がいろいろあるのも楽しみの一つ。白色=写真㊦㊧や薄紫色・ピンク=写真㊦㊥=も多いようですが、「百日紅」に「紅」が入っていますから、やはり濃い色が本来の色なんでしょうか。桃色というか、赤紫色=写真㊦㊨。だいたい、この3色に大別できそうです。あなたの好みはどの色?

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