春の訪れを告げるような鮮やかな色彩がパレスサイドビルの1階、地下1階にあふれています。3月22日に始まったろうけつ染めの展示というか、ほとんど、パフォーマンスといった趣です。
展示されているのはビル東正面玄関に入ったホール部分=写真㊨、㊦=と、ビルを東西につらん抜く中央コンコースの1階・地下1階の吹き抜け空間=写真㊤。
ろうけつ染めは溶かしたろうで布地に模様を描き、染色後にろうを取り除く技法。天平の時代から今日まで脈々と受け継がれてきた伝統技法で、正倉院の御物にもあるそうです。
今回展示されているのは、京都を拠点に活動する染色家、岡田明彦さんの作品で、幅約40センチ、長さ数メートル~30メートルほどの正絹紬が数十本。正確に数えていませんが、全部で50本くらいあるでしょうか。赤、青、緑、黄色系のカラフルな色遣いで染め抜かれています。
「閉ざされた空間でなく、開放的な現代生活に即した建築空間の中で、風にたなびくような作品を創り出したい」というのがコンセプトということで、戦後の名建築として名高いパレスサイドビルで是非展示したいと希望され、2009年に当ビルの兄弟分の大阪・毎日新聞ビルでも展示した縁もあって、今回の催しが企画されました。
サクラも咲き始め、千代田さくら祭りも、3月29日からという予定を前倒しして24日から、ライトアップなどがスタートし、皇居の乾通りの一般公開も24日~4月1日に実施されます。そんな春らしいムードをさらに高めてくれるカラフルなろうけつ染め。皇居界隈でサクラを見たついでに、是非パレスサイドビルにもお立ち寄りください。
展示は4月7日まで。