2017

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サクラ咲くうちに 早や鯉のぼり

 サクラが終わったら鯉のぼりというのが普通ですが、今年はサクラが遅くまで咲いているので、散る前に鯉のぼりとなりました。パレスサイドビルの春~初夏の風物詩、鯉のぼりが今週から、1階・地下1階のアーケード街中央廊下に登場しました。5月2日(火)までの予定です。

 館内★DSC_8831.jpgの飲食店や商店の有志で組織する「パレスサイドビル名店会」(岡田洋明会長=「ティールーム花」を運営する「さかえ㈱」社長)が、季節感あふれる伝統の風習に触れてもらおうと、8年前から毎年この時期に展示しているもの。1階廊下の手すりや天井からは、吹き流し、真鯉、緋鯉、青い子鯉が、吹き抜け部分を泳いでいるように吊るされています=写真㊤。1階と地下1階をつなぐ東西の「夢の階段」の上には、長さ7メートルもある「武者のぼり」が各1本。さらに、名店会加盟各店の入口には小さな鯉のぼりが見られます。

 これらの鯉のぼりや武者のぼりは、岐阜県の無形文化財に指定されている郡上八幡の紺屋「渡辺染物店」の名品。400年以上前から伝わる郡上本染の技法で染め抜いたもので、餅糊で様々な 柄や文様を手描きで描いた布を、甕(かめ)で藍玉や木灰、石灰、麩(ふ)などを入れて醸成させた染液に何度も浸した上で、冬の時期に郡上八幡の中央を流れる吉田川でさらして作られたものとのこと。味わい深い色合いが自慢だ★DSC_8834.jpgそうです。

 さて、ここで問題です。左の2枚の写真は東側夢の階段の上に飾られた武者のぼりを、それぞれ、「上から」と「下から」見たもの。図柄は川中島の合戦。まさに白頭巾の上杉謙信(上側)が武田信玄(下側)の本陣に切り込んだ有名な場面で、武者のぼりの定番です。裏と表では左右逆ですが、上下どちらから見るのが正しいでしょうか。

 正解は「上から」です。下からの写真の一番下に「壽」の字がありますが、ひっくり返っているのが分かりますね。下から見た方がくっきりしているように思われますが、光の具合のようです。

 この絵には、信玄と謙信のほかに、もう一人描かれています。これが誰かという謎解きは2015年4月27日の当ブログで試みました。再録すると、下記の通りです。

 「信玄と同じ右に向き、左向きの謙信に対峙していること、黒くて長めの棒(恐らく槍の柄)を握っていること、兜はかぶっていないことから、信玄の家来、原大隅守虎吉だと思われます。・・・言い伝えでは次のようになります。謙信が太刀を振りかざし信玄本陣へ単騎乗り込み、信玄に馬上から斬りつけると、信玄はとっさに軍配で受け止めたが腕に負傷。このとき、信玄の『中間頭(ちゅうげんがしら)』の原大隅守が持っていた信玄の槍を繰り出しました。突き損じたものの、謙信の馬の膝を打ったため馬が跳ね上がって駆け出し、信玄は九死に一生を得た――というお話です」

 そんなこぼれ話も含めて、のぼりを楽しんでいただければと思います。

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