【2016年7月22日】のアーカイブ

 昼休み、パレスサイドビルを出て向かいの江戸城(皇居)・平川門から東御苑への散歩は、とても暑いです。それでも、いろいろな花が楽しめる季節ですから、たまに訪ねるのは悪くありません。

 梅林坂から二の丸庭園の雑木林を左に、白鳥濠も通り過ぎて百人番所で右に折れて中之門から中雀門へと坂を上がって行ったさらに先の右手、「緑の泉」の手前の植え込みに咲いていたのがミナヅキです=写真㊤。

 ミナヅキはアジサイの仲間で、日本全国に広く分布するノリウツギ(糊空木)の園芸種で、別名「ピラミッドアジサイ」とも呼ばれます。アジサイのように、「両性花」(雄蕊と雌蕊があって実をつける)と、花弁状のもの(実際には萼片)だけの「装飾花」があり、見る人が美しい花と言うのは「装飾花」の方ですよね。園芸種と言うことは、見栄えを良くするために装飾化ばかりにしたものということで、ノリウツギの装飾花ばかりになったものがミナヅキというわけです。同様に、もう少し緑色が強い「ライムライト」という、ノリウツギから転じた園芸種もありますね。これらの定義と言うか、呼び名は結構ごちゃごちゃになっていて、ネットショップなどでも「ノリウツギ'ミナヅキ'」「ノリウツギ'ライムライト'」といった表現もみられます。aP7140014小3.jpg

 ミナヅキに話を絞ると、名前の通り、旧暦6月の「水無月」(新暦では6月下旬から8月上旬ごろ)に咲くことから、そう呼ばれます。

 一番上のアップの写真では分かりにくいかもしれませんが、ちょっとロングのショット=写真㊨=で見ると、頭を垂れているような感じがしますね。想像ですが、装飾花が多くなるように改良されて花弁が増えた一方、枝はそのままなら、花の重さに枝が負けてるってことでしょうか。なんか、ちょっとしんどそうです。

でも、この白っぽい花は、この季節にはちょいと涼しげで、好きですaP7140021小.jpg

 清楚な白もいいけど、夏らしい鮮やかな花も一つご紹介。オニユリです。写真㊧は、ミナヅキが咲いていたちょっと先、白鳥濠の上の展望台の手前くらいで撮りましたが、二の丸庭園の雑木林の中にも咲いています。日本のほか、中国中・北部、朝鮮半島、シベリア沿岸部など東アジア、さらにグアム島にも分布するそうです。だから、ちょっと南洋っぽいんでしょうか。

 皆様も東御苑などで、季節の花をお楽しみください。ただし、くれぐれも熱中症にはご注意くださいね。

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