【2015年10月16日】のアーカイブ

 パレスサイドビルを出て真向かいの皇居・平川門から東御苑へ。春~夏の華やかさが去り、すっかり秋のたたずまいといった風情の二の丸庭園界隈を歩くのが気持ちいい季節です。

 庭園の二の丸池の滝口付近でツワブキの黄色い花を見かけました=写真㊤

 実は、じっくり見たことがありませんでした。ツワブキの花。

 ツワブキといえば、葉っぱ。「たくご」の名の生薬として知られ、幼いころの記憶は「化膿に効く」。特に小学校時代、よく「ひょうそう」(手足の指の小さな傷から菌が感染しておこる炎症)になって、指と爪の間が腫れるとけっこう痛いんですが、そんなときは、ツワブキの葉で指先をすっぽり覆って、包帯を巻いてもらったものです。

 原産地は日本~台湾。本州の東北南部より南、四国、九州、沖縄に分布して、毎年花を咲かせる常緑の多年草です。日本以外では台湾のほか朝鮮半島、中国でも広く見られます。主に海が近い海岸線に自生し、高さは30センチくらいから70センチくらい。花は直径5センチほどの黄色のタンポポのような頭状花です。

 長い軸を持った葉っぱがフキ(蕗)に似ていて、ワックスを塗ったような光沢があるところから「ツヤのあるフキ→ツヤブキ」が転じて「ツワブキ」になったというのが一応の定説ですが、厚みのある葉っぱから「厚い葉のフキ→アツバブキ」に由来するとの説もあるとか。漢字で書くと「石蕗」となります。

 古くから親しまれている植物だけに、地方ごとに呼び名は様々で、「オカバス」「イシブキ」「イワブ●DSC_6730トリ.jpgキ」「ツワ」「オバコ」などがあり、沖縄方言では「ちぃぱっぱ」というそうです。津和野(島根県)は、ツワブキが野に群生していたことから石蕗の野と呼ばれ、これが転じたといわれています。

 二の丸庭園の滝の脇(向かって右側)に、ちょっとまとまって植えられています=写真㊨。花はちょうど咲き始めたところで、12月まで見られますから、花の少ない時期の貴重な彩(いろどり)といったところでしょうか。

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