2015

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江戸城のお濠 "アオコ注意報発令中"ですか?

 パレスサイドビルの真向かい、江戸城(皇居)の平川門を入って二の丸庭園の方へ登っていく途中、左側に見えるのが「天神濠」です。ここが、今年はアオコ(青粉)がちょいと酷いようです。写真㊤は今年8月13日の撮影、写真㊨㊦は昨年7月15日。結構なものでショ?!

 アオコは、窒素化合物などの肥料成分の濃度が高い「富栄養化」が進んだ湖や沼などで微細な藻類が大発生し水面を覆うほどになったもの。天神濠はまさに、そういう状態です。

江戸城のお濠は、千鳥ヶ淵や、霞が関官庁街近くの日比谷濠など12か所、計45万立方メートルの水が天神濠140715.jpgたまっているそうです。白鳥濠を除くと、基本的につながっています。天神濠は、一般の人が見ることができるのはごく一部だけですが、二の丸庭園の北側に結構大きく広がっていて、平川門の内側で平川濠とつながっています=㊧㊦地図参照

 そうはいっても川とは違いますから、水が滞留しがちで、アオコが発生しやすい条件にあります。江戸時代に作られた玉川上水から水が入ってたのが、淀橋浄水場(新宿区)の閉鎖(1965年)により給水がストップし、現在は、外から入る水は雨水頼み。逆に大雨が降れば下水道からあふれた生活排水も流入し、水質を一段度悪化させるのだそうです。

 特に夏場、気温が高くて雨が少ないといけません。今年は、7月の東京の平均気温26.2度・降水量234ミリで、昨年の26.8度・105ミリより、まだましでしたが、8月はご案内の通り暑い日が続き、一番上の写真を撮った13日までの平均気温29.6度、降水量は、パラついた日は何日かあったものの、記録としては12日の1ミリだけ。 これがアオコ発生の直接の原因でしょう(週末にちょっと降って8月1~17日の降水量江戸城 天神濠.jpgは計45.5ミリ)。

 お濠を管理する環境省は中期的に浄化に取り組んできています。2009年度に「皇居外苑濠管理方針及び水質改善計画」を策定。2013年度に新しい濠水浄化施設が稼働し、趨勢として水質は改善しているようです。

 そして今年は「新計画」策定の年ということで、その基本理念とされるのが「皇居外苑濠管理方針基本的目標」。国として、お濠をどうしていくか、という考えを示すものです。かなり大上段に振りかぶっているので、全4項目を載せておきまよう。

・我が国にとってかけがえのない、平和的文化的国家の象徴として、皇居の前庭という特別な性格を有する国民公園の重要な構成要素として、厳かさ、穏やかさ、静けさを併せ持った品格を維持する。

・江戸城址の遺構の保存とともに、江戸城を中心とした近世から現代までの歴史と文化の積み重ねを伝える景観を保全、継承する。

・都心部にあって貴重な水と緑の環境を維持し、皇居外苑濠が生物の生息・生育の場や地域環境に対して本来有している能力を修復する。

・皇居外苑の特性が損なわれないよう配慮しつつ、内外からの来苑者を迎え、皇居外苑濠の魅力を適切に伝える。

 ということで、具体的には東京メトロからの地下水の導水可能性なども検討を進めているそうですが、「塩分としては問題ないが、窒素濃度が高い。窒素を除去するシステムがない中で導水した場合の影響が懸念される」(環境省)といった問題もあるそうで、なかなか大変みたいです。

 今回の「新計画」の策定、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをにらんでのものでもあります。そりゃそうでしょう、世界中から沢山の人が東京に来るんですもの。環境省の「新計画」策定の基本方針にも「当面の対策については、東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、国内外からの来苑者の増加が予想されることからも、概ね2020年を見据え、対策を進めることとする」と、ちゃんと書いてあります。

 さて、世界からの来訪者にどんなお濠をお見せできるんでしょうか。

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