【2015年8月14日】のアーカイブ

 久しぶりに「ぶらパレス」です(もちろん大御所の有名番組のパクリ)。ま、江戸城(皇居)めぐりも「パレスサイドの周りをぶらぶら」にかわりありませんが・・・。

 さて江戸城界隈を散歩していると、様々な建造物が戦国時代~江戸時代~明治維新といった歴史を感じさせてくれます。でも、"昔"の事だけじゃありません。第2次世界大戦のまつわる遺構も残っています。写真の丸いベンチみたいな構造物です。上部は蓋のように化粧石が張ってあります。

 場所は、パレスサイドビルから紀伊国坂を代官町へ登っていき、首都高入口のもう少し先の道路右側。北の丸公園や国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)の方に入ってはいけません。その左側、工芸館前を道路沿いにまっすぐ進んで首都高の上を渡るように左に超えた先に緑に覆われた小高い土塁があります。道路(左側)と千鳥ヶ淵に挟まれた東西に細長いところです。その土塁の上を真っすぐ5分ほど進むと到着です(GoogleEarthの赤丸の辺り)。暑い夏も、ここらは木陰の風がそれなりに心地いいです。

高射砲台座跡 GoogleEarth.jpg 丸い直径2メートル足らずのコンクリートの塊は7つ。直線ではありませんが、それなりにズラーっと並んでいます。

 種明かしをすると、「旧軍の高射砲台座跡」です。ここも「皇居外苑」という環境省管轄の公園エリアの一角で、同省ホームページの「千鳥ヶ淵さんぽみち」というブログのようなコーナーに「代官町通り沿い堤塘に残る『高射砲台跡』」というキャプション付きで写真も載ってはいました(https://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/news/cat7541/index.html、2015年06月12日、「堤塘」はもちろん土塁、堤のこと)。ただ、現場に標識や案内板は見当たりません。相当頑丈な造りらしく、かなり深くまでコンクリがあるので撤去におカネがかかるため残されたのでは、という見方もあるようです。

 さて、高射砲の台座と言いますと、あの恐ろしきB-29を迎え撃ったというか、爆撃から皇居を守るためのものですよね。知らない者にとって、「え~、こんなにちっちゃいの?」と思わず突っ込みを入れたくなるほど、こじんまりとしたたたずまい。

 前記の通り、案内板もなくて、よくわかんないのですが、推定するに、旧陸軍の主力高射砲「八八式七糎半野戦高射砲(はちはちしき・ななせんちはん・やせんこうしゃほう)」ではないかと思われます。靖国神社の展示(第2次大戦を美化していると欧米から批判されているところです)に、「東部ニューギニアのウエワクで野戦防空に活躍した火砲」が展示されていて=写真㊨、大きさは、かの台座にほぼ合いそうです。この展示物は「1971年1月、全戦争八八式七糎半野戦高射砲.jpg受難者慰霊協会が実施した遺骨収集において現地政府の許可を得て持ち帰り、1972年8月、同協会から靖國神社に奉納された」との説明があり、スペックは下記 の通り書かれています。


口径75ミリ
砲身長321.2センチ
初速720メートル/秒
重量2450キロ
最大射程13800メートル
最大射高9100メートル

 ちなみに、B-29は「実用上昇限度9720メートル」(ウィキペディアより)といいますが、実際の爆撃は爆弾を大量に積んで重くてひくくなったでしょうし、日本軍の反撃力の低下などで時間とともに徐々に低空になっていったといわれます。

 この高射砲の「最大射高9100メートル」はなんとか届く計算で、実際、撃墜した例はあります。でも、「最大射高」は実質的に威力がある高さなんでしょうか? ボールを上に投げた場合で考えたら、一番高いところは完全に勢いがなくなって止まって落ちてくるところですよね。武器の性能表示に疎いので、この「最大射高」がどういう意味か分かりませんが、B-29に対して有効ではなかったのではないかと思わざるをえません。あ、それ以前に、高射砲や弾が絶対的に不足していたはずですね。

 いずれにせよ、せっかくの戦争の遺構ですから、案内標識くらい作ってくれたらいいのにと思いました。

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