パレスサイドビルの兄弟ビル「毎日福岡会館」がある福岡市では、7月1日から伝統の祭り「博多祇園山笠」が始まりました。15日までの祭りの期間中、福博(福岡と博多を合わせてこう呼びます)の街は祭り一色になっています。
福岡と言えばNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」ゆかりの地です。ドラマの視聴率は官兵衛の戦とは違って、関東地方ではかなり苦戦しているようですが、もちろん福岡ではそこそこの視聴率を出しています。今年の博多山笠はいつもの年にも増して、観光客や市民でにぎわうのでしょう。メーン写真は一昨年の「追い山ならし」ですが、櫛田神社の一等席で見た山笠は圧巻でした。
博多山笠でまず観光客や市民の目を引き付けるのが、「飾り山」。博多人形師の手になる山笠人形で飾られた、高さ10㍍を超す「飾り山」が櫛田神社をはじめ市内13カ所でお披露目されています。山笠人形は飾り山の「表」(正面側)と「見返り」と呼ばれる後方側に飾られますが、基本的に「表」は武者人形が多く、「見返り」はテレビアニメの主人公など趣向を凝らした人形になって、子どもたちを喜ばせます。福岡藩祖の黒田官兵衛(如水)を題材にした飾り山笠は昨年に続いて今年も数多くお目見えしています。中でも六番山笠・千代流は「表」と「見送り」を使って一つの物語を表現。NHK大河ドラマ主人公の歴史に残る逸話や合戦が再現されています。十三番山笠川端中央街は「智略軍師官兵衛」=写真㊤。また、見送りでは「アンパンマン」=写真㊦=や「サザエさん」も登場しています。
博多と黒田家のゆかりは、黒田官兵衛が太閤秀吉の命を受け、博多商人の協力も得て博多の復興に力を尽くし、この再建は太閤町割りと呼ばれています。
福岡の地名は、官兵衛の嫡男長政が筑前国に封じられた際、新しい本拠城の名称を黒田氏ゆかりの備前国福岡庄から取って「福岡城」と命名したことによります。
この「福岡」と「博多」の境界は、市内中央を流れる那珂川で、毎日福岡会館はこの那珂川河畔にあります。ちなみに毎日福岡会館は「福岡」部です。
773年の伝統を持つ博多祇園山笠。目を引く飾り山笠とともに、沿道で見る観客の目前を駆け抜ける勇壮な舁(か)き山笠が魅力です。この舁き山にも「表」と「見返り」に贅沢に博多人形師の手掛けた山笠人形が飾られます。重さ約1トンの舁き山を、締め込み、法被姿の男たちが担いで街中を疾走する。そのさまはまさに圧巻です。舁き山は七流(ななながれ)と言われ、7つ。太閤町割りの博多の旧町などで構成されます。区域内を巡る10日夕の「流舁き」を皮切りに、舁き山が本格始動します。12日午後は「追い山ならし」。「追い山」(15日)の予行練習として1キロ短い約4キロのコースを「オイサ、オイサ」の掛け声とともに走ります。そして13日午後になると、舁き山が那珂川を越え、福岡部の天神地区に入る唯一の行事、「集団山見せ」。毎日福岡会館の関係者ももちろん、走る山笠に勢い水をかけます。そして祭りの最高潮、最終日15日の「追い山」に向かいます。