梅雨入りをしたとたんに雨の日が続きました。先日の土曜、日曜は久々に晴れ間も見えましたが、まだまだ雨は続きそうです。今年はしかも雨量が多く、先週後半は梅雨前線上に発生する低気圧の影響で、関東甲信地方では雷を伴った激しい雨が降りました。今年の梅雨明けは7月20日過ぎと予想されています。昨年は今年よりも3日遅い梅雨入りでしたが、7月6日には早々に梅雨明けして、いきなりの猛暑になりましたが、今年は昨年より15日も遅い梅雨明け予想です。
この季節の皇居東御苑の花菖蒲は毎年見事な花を咲かせますが、今を盛りと咲きそろいました。パレスサイドビルからほど近い平川門の辺り、二の丸庭園内の菖蒲田の中にところ狭しと並んでいます。ご存知のとおり平川門は東京メトロ東西線・竹橋駅が非常に近くて便利ですし、本丸跡を通れば、北の丸公園方面へも出られ、菖蒲だけではなくいろいろな花や散策が楽しめる名所です。菖蒲田には大手門からの入り方も、平川門とは似たような距離です。
この菖蒲田には、84種のハナショウブが植えられています。菖蒲は株ごとにきちんとまとめられて、名称の書かれた木札がつけられています。皇居東御苑造成中の1966(昭和41)年に明治神宮御苑の菖蒲田から株を譲り受けて以来、大切に育てられています。1992(平成4)年には明治神宮の菖蒲園で病気が蔓延した時、この東御苑の二の丸庭園の菖蒲田から逆に株分けされたこともありました。
さて、ハナショウブの謂れです。端午の節句の行事には花の咲かない「アヤメ(菖蒲)」を飾るという習慣ができ、そして、6月になって花が咲く「アヤメ(菖蒲)」を、「花アヤメ(花菖蒲)」と呼ぶようになります。そして、この花アヤメ(花菖蒲)は品種改良が進み人気が出て武士たちに好まれ、「菖蒲(あやめ)」の文字を縁起を担ぎ「勝負」にかけて「ショウブ」と呼ぶようになり「ハナショウブ」の言葉になっていったという説があります。
また、アヤメは、「菖蒲」「文目」「綾目」「漢女」といった字を使います。それぞれの当て字に由縁がありますが、東御苑の二の丸庭園の菖蒲田の菖蒲には、「大紫」「小町娘」「御所遊」「江戸自慢」「獅子怒」「玉鉾」「酒大盃中花」「深窓の佳人」といった名前がついています。