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パレスサイドビルの原寸図面

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 建築のディテール(細部、納まり)に焦点をあてた日本初の建築専門誌『ディテール』(株式会社彰国社)が産声をあげてから半世紀になりました。これを記念して、「原寸大|日本の建築ディテール 1964→2014」展が渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2-21-1)8階 CUBE 1, 2, 3で、昨日6月4日から始まりました。この催しにパレスサイドビルディングの写真と建物と同一サイズの図面も展示されていると聞いて、さっそく覗いてきました。まだ初日でしたが、建築を学ぶ学生などで賑わっていました。

 8階でエレベーターを降りたすぐのコーナーが「原寸大」展の場所で、入り口をくぐると一番最初の展示物1番が私たちのパレスサイドビルディングでした。皇居側南面の壁面のアップの写真と、その図面。

 展示の説明文は「ガスケットの出回っている今日、ガラスを直接鉄骨に留めるのはいとも簡単なこと。また厚いガラスを強度いっぱいの大きさに使う限り、ガスケットは高価なものでないはずである。だが、大きなオフィスビルで、それを断行した建物はなかった。サッシュを節約した分が、アルミのルーバーに振り向けられていると見たのは当たっていた。縦樋が、ルーバーを留める方立として働かされているのも無駄がない。――ディテール11号」とある。専門誌「ディテール」が誕生して間もない1966年に、パレスサイドビルの竣工と同時に掲載していただいたようです。

 「ディテール」誌の創刊は1964 年、東京オリンピックの開幕前夜。今回の展覧会のテーマは、『建築全体をとらえながら201406detail-01.jpg201406detail-02 (2).jpg、物と物とがぶつかり合う納まりをどのように決めるか』。半世紀にわたり『ディテール』誌上で掲載されてきた膨大な建築作品の中から、日本を代表する近・現代のすぐれた建築ディテールを選りすぐり、原寸大(1/1)の巨大な図面と写真で紹介されています。パレスサイドビルのほかには、「プランタン戎橋店」「東京カテドラル聖マリア大聖堂」「白の家」「続 私の家」「住吉の長屋」「身延山久遠寺宝蔵」「SPIRAL」「葛西臨海公園展望広場レストハウス」「せんだいメディアアーク」の合計10作品。さすがに建築・土木図書専門出版の彰国社が見つめ続けてきた、この50年を振り返り、次の視点で新しい時代を見るというイベントですから、設計の現場で、あるいは建築雑誌で見なれたはずの図面が原寸大になることで立ち現れる、図面と実物のイメージが交差する不思議な感覚を会場で体感出来ました。

 会期は4日から6月16日まで。会期中無休で 時間は11:00~20:00(最終日は17:00まで) 。渋谷へ出掛けることがあれば、原寸大の展示の中から、ぜひともパレスサイドビルを探してみてください。

 「神は細部に宿る」というように、建築デザインの決め手はディテール設計にある。 建築全体をとらえながら、モノとモノがぶつかり合う納まりをどう決めるか。1964年の創刊以来、建築をディテールの視点から追い続けている本誌は、最新の建築レビューとともに、ディテールのポイントとプロセスをビジュアル豊かに紹介している、と同社の自信の50年がうかがえました。

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